志村が鬼籍に入ったのちのフジファブリックについて問われれば、「あんま聴かないなー」などと言って皮裏の陽秋。しかし内実、「フジファブリックは志村のバンドじゃ」と夜叉のごとき煉獄の怒りを燃やしていたのである。 衷情を披瀝させれば、おれはバンド名…
「人を好き嫌いで判断するな」とおっしゃるのはずいぶんと独善的な合理性だとおもう。人を好き嫌い以外で判断するほうがむずかしくないっすか? なのではっきり言っちゃうが、おれはヴィジュアル系が嫌いです。そういう言うと、たまにV系の道楽ものたちから…
スティーブ・アルビニというとおれのなかでは「イン・ユーテロ」よりも、モグワイの「マイファーザー・マイキング」という一曲である。というのもスティーブ・アルビニという人をはじめて意識したのは、二十分という長尺のドラマチックなこの一曲だからであ…
新しいアルバム聴いた? 「デルタ」ばかいいね!! はっきり言って前作の「ワイルダーマインド」はおれのなかで無かった。あぁこれは無かったことにしようと脳が判断した。だから記憶にない。 でも「ワイルダーマインド」があってよかった。この「デルタ」と…
「好きなパンなに?」という問いに「スマパンかな」という、ちょっと寒いアンサーをしたくなるほどにスマパンが好き。その追撃の問いに「スマパンのなにが好きなの?」とくれば「マヨネーズかな」なんて答えたくなりますね。あれめっちゃいい曲だろ。 そんな…
ビートルズの「ザ・ビートルズ」、通称ホワイトアルバムというアルバムが、発売から半世紀という億劫を経たらしく、あたらしいミックスによって現代に蘇るらしい。ジョージ・マーティンの息子、ジャイルズ・マーティンの手によって。蓋し因果*1である。 おれ…
中山康樹が、ロックン・ロールが「ロック」と呼ばれるようになったのには「フォーク・ロック」というジャンル名が使われはじめたことに拠る、と書いていた。マジかー。 フォーク・ロックといえばノーベル賞をとったボブ・ディランを思い浮かべるひとがおおい…
くるりのアルバムにはそれぞれに「風」のようなものが吹いている。そんな気がする。これは作風うんぬんかんぬんに関係あるのかもしれない。 たとえば、おれの好きな「さよならストレンジャー」には春に吹くまだすこし冷たい朝や夕刻の風。「図鑑」には物憂げ…
ZOZOスーツをいちはやくファッションに取り入れたバディ・ガイというブルースギタリストがいる。いまたぶん82歳くらいなんだけれど、そのひとがこの夏に新しいアルバムを出した。 画像出典元:http://amass.jp/58429/ ストーンズのミックやキース、あ…
喧嘩売ってないです。すいません。ちょっと疑問が湧いたというか、まぁ、結果として、「やっぱビートルズすげぇ!」ってとこに着地します。 音楽誌のオールタイムベストアルバムみたいな、そういう昔のアルバムばっかり取り上げられるランキングで、よくこの…
ブルーグラスといえば、マムフォード&サンズの三枚目はかんぺきな失敗でしたな、なんておもう。こんなことを言うとまた怒られるかもしれないが、でも悪口ほど素直な感想はないだろう。真率でありたいものである。金持ちのおぼっちゃんずめ。 ところで、世界…
今昔をかんじるフレーズが増える、というこの現実が、つまりは歳をとる、ということなのだとおもうし、そういうフレーズが若人に伝わらないということが、なんだかソフトクリームを落としたみたいに悲しくなるし、こうして接続助詞に並列の「し」をつかうと…
たぶんおれのような世代、というかロックミュージックをその勢いが新鮮なときに聴いていない世代は、いわゆる「名盤」という定義でアルバムを聴いているので、その「これは歴史的なアルバムなんだよ」という、いわば脅迫めいた文言と、歴史の文脈上で「名盤…
今月のギターマガジンが熱かった。熱すぎて熱中症を発症した。うそである。でもギタマガが熱いのはマジ。なぜならば横山健と生形真一の対談であったからだ。 じつはこのふたりおたがいのシグネチャーを所有している。というか、まず健さんが生形シグネチャー…
オルタナってジャンル名どうなんですか? どういう意図がかくされてるの? なんだかちょっぴり茫洋ですな。まぁそういうジャンルでそういう音が確立されてるなら、もうなにも言いません。でも納得はしていない。プレーリードッグが犬じゃないことくらい納得…
フーファイターズのデイブグロールが、というとちょっと違和感があるのは、やっぱデイブグロールはニルヴァーナのドラマーであって、そもそも彼を稀代のドラマーだとおもっているし、ギター弾いて歌うたってても「おまえはその才能を活かしきれてねぇ」って…
さいきん、「ソルファ以降のアジカンもいいから聴いてくれ」みたいなブログを読んだ。おれはソルファ以降もちょくちょく聴いてはいたが、聴くというよりは聞き流す、といったていどであった。 ソルファは売れすぎた。当時高校生であったおれは、とにかく「売…
おれが世話になっている はてなブログで、今週のお題「雨の日の過ごし方」というのをやっている。なので、雨の日に聴きたいアルバムでも書こっかな、なんておもったのだけれど、やめた。めんどくさかった。 ただ、なんとなく、きのこ帝国のアルバムのふんい…
エレカシはバンドの素材の主張がつよいだけに、逆にその素材のつよさがプロデューサーによってありありと浮かんでしまうバンドだとおもう。たとえば、佐久間正英期であれば、男の優しげな哀感と寂寥がつよい、ミヤジのそういったポイントが色濃くでるような…
ロックでいちばんダセェな、とおもうのは小賢しいことだとおもう。「衒い」がある、というか、そういったやつ。おとなの汚さ。おれのこの日記なんて、小賢しさと、小狡さと、小卑しさばかりなのだが。ほんのり忸怩。 バチョウというバンドを聴いていると、そ…
椎名林檎のトリビュートがでたので聴いた。トリビュートというのは原曲を知っていて親近感があるだけに、不和もおぼえてしまうので、バンドやその歌手の力量が如実にあらわれるとおもう。 さいきんエレカシのやつとかもけっこう聴いたけど、すげぇな、とおも…
「恋をしちゃいました!」という曲がある。タンポポという歌手グループが歌う、甘い恋慕と、初デートにおけるときめき、胸の高鳴り、浮き浮きぐあいを、恋に狂騰する乙女の視点でえがいた超名曲である。 そのなかの一節に「タレントには/似てないひとです/…
たしかレディオヘッドの「kid A」が二〇〇〇年に出て、ギターロックを殺害し、なんだか超越的な存在になったかとおもったら、二〇〇一年にストロークスが「Is This It」を出して「いや、死んでねぇし」つって、世界中でガレージロックリバイバルみたいな気運…
※画像元以下リンクより エルレガーデンが復活するらしい。ネットの情報だからしんようしてはいけない。そういえば、おれはきっとエルレ直撃世代なのだとおもう。 ELLEGARDEN、8月に10年ぶりとなるライヴ・ツアー"THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018"開催決…
機能美を意識したデザインに機能美はない。そうおもう。それはただのデザインであって、機能美とは、それを意識せずに形成されたものではないのかしら。それとおなじようなことが「エモい」には言えるのではないかしら。ね。なんて。 エモい文章の作り方|嘉…
ピアノの森というコミックを数巻ほど、ちらと拝読したことがある。現在完了文。 そのストーリーのなかで、主人公のカイという少年は、森に違法投棄されたピアノを弾く。この違法投棄されたピアノは誰でも弾けるピアノではない。じつは鍵盤が激烈に重く、堂に…
今聴きたい! 私の春うた! ははは。そういうミーハーな惹句だいきらい。虫唾がはしるわ。というかんじですが、春に聴くアルバムってあるなぁ、とおもったのです。あの九枚にするやつにしました。画像のまとまりが好いので。とりあえず我が邦の音楽だけにし…
おまえらほんとに2010年代のバンドなの? とおもうくらいに古めかしい音楽をやっているなぁ、とおもうのがイギリスはロンドンのバクシーンズ、ってゆうかヴァクシーンズというバンドだとおもう。 The Vaccines - If You Wanna - YouTube サンズアンプを…
ジャックホワイトが新譜をだしたので聴いた。ちなみに「新譜」という言葉をつかうと妻から「音楽通っぽい」といわれます。音楽通っぽくしていたいのでどんどん使用していきたいです。 ジャック・ホワイトの2018年の傑作は、ロックの未来を救うか? - レビュ…
ちょっと批判的な内容になってしまう。すみません。アマスでレッチリのライブ動画が公開されている。 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ アルゼンチン&チリの<Lollapalooza>に出演、フルセットライヴ映像がネットに - amass おれはジョンフルシアンテがだ…