バンドをやっていたり、ギターを弾いていたりすると「好きなバンドなに?」なんてよく尋ねられます。私はそれに「スピッツです」と答えるようにしています。
好きなバンドなんて腐る程いるので答えられないです。なのでその時良いな、と思っているバンドを答えるようにしていました。しかし、時にコアなその答えは、微妙な空気を漂わせることになるのです。幾度となくそんな空気感を体験しました。そんな私が生み出した答えが「スピッツ」です。
スピッツなら誰でも知っているし、私はスピッツ好きだし。年齢的な守備範囲も広い。ハズレアルバムもない。なによりスピッツは結構ミュージシャンズミュージシャンな節がありますので、相手の反応で話の詰め方が分かるのです。
ここで「ミスチル」という選択肢もあるのですが、真のミスチルファンは魑魅魍魎と日本の風土に溶け込んでおります。ガチファンに当たると怖い。ミスチル好きってほんとにミスチルしか好きじゃないという偏見を持っています。
相手「俺もミスチル好きでさ。好きな曲は12月のセントラルパークブルースかなぁ」
僕「かっこいいですよね!ボブディランみたいで!」
相手「え?誰それ。てかミスチルはパクリじゃねーし!業腹だ!」
なんてことになったりします。注意が必要です。
ここで以下に「スピッツが好きです」というアンサーの反応に対する私の所感を述べていこうと思います。
・「へぇ、好きなアルバムは何?」
これが個人的ベストな答えです。こういう返しをしてくる人はだいたい人間ジャンルが一緒の方です。相手を傷つけず更にスピッツの奥深さ、いやニッポンのロックについて話が進められます。スピッツだけに関わらず他のバンドでもこの答えはベストだと思っています。こう答えられる人はロック、音楽が好きな人です。一緒にビール飲みましょう。
・「有名なヤツしか知らないなぁ」
この場合適当に「空も飛べるはず」とか「チェリー」の話の流れで有名なシングル曲の話をしつつ、スピッツの奥ゆかしさを語ります。そしてオススメのアルバムの話でもします。相手の音楽の趣味によってスピッツのオススメアルバムは変化するので要注意です。
ここで、ベストしか聴いたことないクセにスピッツを分かったようなクチを利く輩に出会うと面倒くさいです。「1」しか聴いてないのにビートルズを語るようなものです。たしかにサイクルヒットやリサイクルはスピッツを認識するのに分かりやすいですが、「知る」には事足りないと思っています。
音楽に興味がある人であれば、スピッツの魔力に引き込める人材です。スピッツァー候補。とりあえずハヤブサを推しておきましょう。
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・「へぇそんなんだ…………でさぁ~○○がさぁ~」
この答えは大人として、人間として、言語コミュニティの中で生きるべき霊長類としてあるまじき発言です。いや、興味ないなら聞くなよ。と思います。言うなればクソ人間です。音楽に興味ないんじゃん。というかなんでそんな質問したの?と思います。
・「スピッツとかwwwまじかよwww」
僕は怒りませんが、全国のスピッツ好き、通称スピッツァーは憤慨するかもですね。
バンドマンでこういう発言する奴は、大体凝り固まった同ジャンルしか聴かないヤツ。ポップス嫌いのジャズマン。曲ではなく技術を聴いているフュージョンマン。もしくはロックは激しければいいと思っている頭の弱いおサルさんのパターンが多いです。
こういうヤツはもう手遅れなので「ソウヤネン、スピッツスキヤネン、ハハハ」で終わればいいです。流しておきましょう。コミュニケーションの崩壊です。しかし無駄な時間を過ごすハメ、もしくは嫌な思いしかしないので適当にやりすごしましょう。
ここで理論を言い合ってもいいですが、スピッツの「なんかイイ感じ」を汲み取らせるのは難しいです。外国人に「旨味」を分からせるようなものです。それを感じる部位がないのでムダです。無視したほうが無難です。
余談ですが、ヴィジュアル系好事家の「いろんな音楽聴いてきたけど、一周回って結局ヴィジュアル系に戻ってきました」みたいな「ヴィジュアル系は音楽が優れている」感を出すヤツがメンドクサイです。何処で聞いてきたのかわからんけど間違った知識をだすな。キースムーンはハイハットなんてつかってねーよ。と私怨です。
だいぶ偏見に満ちた内容を書きましたが、こうやって会話の中で打算的に人間の動向を探るようになったらもうおしまいです。心が。
もっと素直だった頃の自分を思い出してください。それが出来ないなら「好きなバンドはスピッツ」が手広くカジュアルに会話できます。