まだロックが好き

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おめおめと生きている日記

Lemuriaってバンドが最高すぎました

 もうおれは二度と音楽で感動などしないな、とおもっていたんだけど、まだまだすげーバンドっているんだな、とおもった。それアメリカにいた。アメリカすげー。でけー。ひれー。

 

 Lemuriaというバンドをさいきん好んでよく聴いている。まだ二枚しか聴いていないけど、たぶんぜんぶ好いんだと思う。

Recreational Hate

Recreational Hate

 


 ジャンルで言えばインディーポッブだろう。けど精神はパンクだとおもう。

 

 二曲目の「Sliver of Change」から、ちょっとまってくれ! ってなる。この人たちなんかおかしい! ってなる。ポリリズムととらえるべきか、たぶんスリップビートととらえるべきなのだろうね。キックで頭いれているところで四拍子かぞえていると、メロの入れ方とかが「は?」となる。

 

 そんな、ときおりいれてくる「変なやつ」がおおい。このレムリアってバンド。まじで頭のおかしな人たちのいれる「変なやつ」だとおもう。ハイパー狂ってる。もしかしたら算術されたものなのかもしれないけど、それを上回るへたっぴな(いい意味で)パンク精神の演奏と、ボーカルの純白無辜な声質が、それを「天然自然由来のものだ!」と証左しているようにおもう。


 「Christine Perfect」も素直にいい曲だった。そのボーカルから繰り出される「音楽の主役は旋律だ」という気炎万丈な強さがあるメロディが、キャッチーでほんとすてき。いい意味で研鑽されていない、飼いならされていない、とても荒々しいのだけど、ゆえに生命の疼きに満ちているバンドだとおもう。ちいさな箱で鳴っているようなインディ-感がすごくある。このバンドのインディー感は実験的という意味でなく、冒険心というようなものにちかいとおもう。だからといって素人くさいわけではなく「More Tunnel」みたいな曲にはクイーンのようなコーラスワークの音楽的知見があるし、ユニゾンが耳にのこる「Wanted to Be Yours」にはフェステーヴォな印象をうけるし、「Kicking In」は、継ぎ合わせたような楽曲に混沌をうけるけど、そういった妙義にこのバンドの無垢さがあるのではないかな、とおもう。「Lake Below」はニールヤングちっく。「Trembling」はアコーステチックチック。チックがかさなってしまった。チックチックチック。!!!。無視してくれ。「Marigold」はなんだかわからないところがありますね。そういうバンドなんだろうな。ギターの音とかめっちゃ当たってるとこあるし。

 

 レムリア超いい! っつってもう一個アルバムを聴いてみた。こっちのほうがキャッチーでバンドバンドしていて、おれは正直こっちのほうが好きかもしれない。

Get Better

Get Better

 

 

 一曲目が「Pants」って曲でまぁかっこいい。途中ではいる かオーギュメントみたいな音が不協和音で(オーギュは理論上不協和音ではない。っていちお書いとく)めちゃくちゃかっこいい。たぶんオーギュ。オーギュだよな?

 

 さいごに一個、この曲がこのバンドを象徴してるな、とおもったのが「Wise People」って曲だった。これはMVでしか聴いてないんだけど。リンクを貼っておこう。

 

Lemuria "Wise People" Official Video - YouTube

 

 これも五拍子六拍子の複合でポリっぽいというか、スリップっぽいところがあるくせに、鳴ってる音がロールしてて、数えるのがめんどくせぇ! ってなる。なんだろうこいつら。なんというか野生的な、音楽が権威と学問で凝り固められてしまうまえの原初性がある。豪儀だね。たぶん「あ、これ変拍子なんだ。ふーん」って本人たちが言っている。想像だけど。音楽に譜面があることを知らない。ジョンレノンみたいですね。

 

 この「理論でつくってない感」がめっちゃ好きだった。おれは聴いてきたもので「こうするべき」みたいな音楽概念が構築されてしまっているけれど、素でこういう音楽作れるやつみると、ほんとサイコパスだとおもう。