おまえらほんとに2010年代のバンドなの? とおもうくらいに古めかしい音楽をやっているなぁ、とおもうのがイギリスはロンドンのバクシーンズ、ってゆうかヴァクシーンズというバンドだとおもう。
The Vaccines - If You Wanna - YouTube
サンズアンプを通していないようなプレシジョンベースの音、そのプリカチのルート弾きに、水菜のようなジャッキリとした歯ごたえと、ある意味逆に新鮮味のある素材そのままのクランチギターが、鋼の振動を胡麻化すことなくコード弾いていて、小癪なフィルなんかいらねぇつうドラムに、霧の都ロンドンを彷彿させる濛気するサウンドのなかのバリトンボイスが、めちゃくちゃキャッチーでポップなメロディをなぞっているのがもうほんと、おまえらロックだな! とおもう。
商業的なジャンルわけをするなら、ガレージロックとかパンクとかだとおもう。ストロークスとかの都市的なふんいきをもつ泥くさいロックンロール。おれはなんだかスミスとかラモーンズとかジョイディビジョンとかをかんじたわ。
彼らのファーストはクッソいいアルバムだとおもう。おれに金がはいるので以下のリンクから買ってくれ。
ワット・ディジュー・エクスペクト・フロム・ザ・ヴァクシーンズ?
- アーティスト: ザ・ヴァクシーンズ
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2011/05/11
- メディア: CD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
そんなヴァクシーンズが新譜をだしたので聴いた。その名もコンバットスポーツ。どうなのそのアルバム名。てなものであるが、その内容はすこぶるキャッチーだった。とても好き。
ファーストしか聴いていないのでなんとも言えぬのだが、よりポップネス感が増加されたような感があった。
The Vaccines - I Can't Quit (Official Video) - YouTube
パーティー感というか、八十年代のディスコチックな感触とかも。ファーストもくそ聴きやすいけれども、これもくそ聴きやすかった。
プロツールスって世界基準なんですかね? おれがレコーディングしていた十年前からずっとつかわれているので日本では業界基準だとおもうんですけど、どうなんかね?
シーケンサー、というか、いわゆる打ち込み系の音楽が横溢したり、マイクを立ててアンプ撮りではなく、アンシュミとかでギターを撮るほうが、やっぱくっきりしたクリアーな音になるし、なにより便利だとおもう。
くわえて、音楽ってすごく手に入りやすくなった。手軽に外国のCDとかすぐ買える。好いことなんだろうけど、ゆえに音楽性も「このバンド、どこの国のバンドなんだよ」みたいなことが往々にして増えた。
それに抗っているのがバクシーンズのような気がする。サウンドといい、バンドアレンジといい、その「いなたさ」といい、とってもモーダルなロックンロール感といい、飾り気のない、というよりは虚飾にまみれていない、自らの血肉に宿ったその大地の音楽を鳴らしているような気がするんだな、おれは。そういうバンドが好きです。
もしかしたら、「売れ線狙いすぎなんちゃうか」みたいな意見もでるとおもうけれども、それでも一聴すれば「お。イギリスのバンド!」みたいなかんじることのできるアナログな音楽、それを今時分、お天道さまのした胸張って鳴らしているのはさいこうにロックンロールだとおもう。かっけえよ。ヴァクシーンズ。