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エルレガーデンが復活するらしい。ネットの情報だからしんようしてはいけない。そういえば、おれはきっとエルレ直撃世代なのだとおもう。
ELLEGARDEN、8月に10年ぶりとなるライヴ・ツアー"THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018"開催決定! | 激ロック ニュース
高校一年のときだったとおもう。「DON'T TRUST ANYONE BUT US」というアルバムと、「My Own Destruction」というミニアルバムを聴いていた。中期エルレのイメージであるショートでアッパーなカリフォルニアンな曲よりも、ジャパニーズロックの延長線のような曲も見受けられていたようにかんじる。実はこのころまで好きだった。
- アーティスト: ELLEGARDEN
- 出版社/メーカー: Dynamord Label
- 発売日: 2002/04/03
- メディア: CD
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当時おれはゴーイングステディが好きで、そのオフィシャルの掲示板に入り浸っていた。ってゆうかコテハンしてた。最初は「あ」だったけど、なんだか「はぐき」という響きが気に入ったので「はぐき」というコテハンをしていた。戸田恵梨香の影響ではない。
そこではゴイステに関係の無い話題ばかりが隆盛をきわめた。おれは当時まだ2ちゃんねるの存在を恐怖していたから見ていなかったけれど、いまおもえば、ゴイステの掲示板も、2ちゃんのようなふんいきをもった場所だった。罵詈雑言。地獄の雑談ルーム。SAWの世界。
そのなかで「おすすめのバンド教えろ」的なスレッドが定期的にたった。おれは傍観していた。そこにエルレガーデンという名があり、エルレを知った。まぁゴイステとエルレってのはあまり似ていないけれど、とにかく好きなバンド発表会場となっていたそのスレでたくさんのバンドを知った。
だからおれは、けっこう早めにエルレ体験をしたほうだとおもう。人間の内面を吐き出すようなバンドが好きだったけれど、エルレはきれいでお花畑でキラキラしていて、でもおれの大好きなハイスタのようなメロディック感があり、音もタイトでハードだったので聴いていた。ふーん、女に受けそうだな、とか思いながら。小癪な高校生である。
で、セカンドの「BRING YOUR BOARD!!」がそこそこ売れ、サードの「Pepperoni Quattro」で人気は爆発していた。たぶんフォースの「RIOT ON THE GRILL」で殷賑をきわめたのだろうけれど、インディーズロックの好事家たる高校生のあいだではブリングとペパロニの二枚は、聴かなきゃ村八分の必聴盤となっていた。
- アーティスト: ELLEGARDEN,Takeshi Hosomi
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こうなると鬱屈している望月青年は聴かなくなる。ってか嫌いになる。怨恨すら残す。口当たりのいいキャッチーなエルレはそりゃまぁうけるだろうね、なんておもう。インディーズロックのなかで「女こどもにうける音楽はファックオフ」みたいなふんいきが、すくなくともおれの周りではあった。思想が狭隘。そらモテんよ。
おれは流行っている音楽が好きじゃなかった。いまでもそのきらいがある。なんというか流行っている音楽を聴くのって、しょせん時代の波に乗っているだけであって、「音楽が好きで聴いているわけではない」というふうにかんじてしまうからだ。むろん、時代の音楽というのはある。それに流行った音楽を起点にして、掘り下げたり、好きな音楽ジャンルを敷衍していくこともあるだろう。
でもそういった聴き方がおれは好きじゃなかった。おまえらみたいのが音楽を駄目にする。とかおもっていた。資本主義をうらんでチェゲバラに傾倒し、レイジアゲインストザマシーンとフガジですべてぶっこわそうとおもっていた。おれはそういう虚飾にまみれた音楽は聴かない。おれがほんとうの音楽をしらしめる。とか謎の使命感に燃えていた。あぶないやつだった。精神科に行け。
でも、実はちゃっかりチェックしちゃってた。おれのかわいいトコ。けれども知らないふりしてた。「あ、エルレ? 最初のヤツしかしらねぇな」つって。ね? うそだよ。ほんとは知ってる。そんで高校のとき卒業ライブで「スターフィッシュ」をやった。ベースはたいくつだった。
なによりエルレは、ちょっとイケてるやつらの聴く音楽だった。みんなで聴いて「これよくなーい?」「超かっけー」ってかんじの。おれはひとりでひっそり聴くタイプだったので、そういうのが厭だったのもある。そういうのありません? ファンが嫌いだからそのバンドも嫌いになる、みたいなの。もうほんとおまえらマジでサッカー部。
社会人になってエルレを聴きなおした。バンドセッションでエルレは必ずといっていいほど演奏するからだ。そうしてアルバムを通して聴いてみると、エルレガーデンは流行り廃りのバンドではなく、万古不易の敢為邁往な気概があるなぁ、なんておもった。
細美武士のつくる曲はとてもロマンチックだとおもう。メロディがわかりやすくて、ブレイクからのアウフタクトで爆発力があって。ちなみに昨晩ずっとエルレを聴いていたんですが、やっぱり「細美武士、サビ頭拍で歌わない説」は証左されそうです。あと細美武士って字面がきれいすぎる。ジュリアン・カサブランカス級。
五枚目の「ELEVEN FIRE CRACKERS」はサウンド的な変化があった。これまでのカラフルでカラっとしたアメリカンな音ではなく、重くじっとりとした攻撃色の強いアルバムだった。でも芯にある「かっこいいものを作りたい」というエルレの心粋みたいなものは変わっていなかった。
エルレの芯にはその「かっこいいものをやりたい」という念があるとおもう。きっとロックバンドを志すひとたちにはずっと胸の奥にあるのだろうけれど、エルレのばあい、その彼らの目指す「かっこいいもの」が究極にシンプルでストレートで、それがために世代を超えて愛されているんじゃないかな、なんておもった。
あと、細美武士もそうなんですが、エルレの核はやっぱ生形くんだとおもう。生形くんがいなかったらエルレはぜってぇ売れてない。あとさいきんのウブさんのギター業界の貢献度は舌を巻くものがある。
生形くんがエルレでしていることはとてもシンプルで、ハードディストーションによるバッキング。その重たいブリッジミュートのバッキング。クランチで上乗せするリフレイン。ピッキングとボリュコンでなされる流麗なアルペジオ。助走を活かす踏切板のような小気味よいブラッシング。
ふと気がついたんですけど、エレキギターってこれ以上なにかする必要ありますか? ないんですよ。ソロだとかオブリとかいらないんですよ。まぁソロある曲もあるけど。なんというか発想がジョニーマーなんですよ。
ちょっと生形愛が炸裂してしまいますが、彼の音作りはエレキギターとアンプを完璧に理解している、としかおもえない。ピッキングニュアンスを活かし、弦の鳴っている生鳴り感もありながら、パンチがあり、あまつさえ抜けが良い。とにかくクランチの音? の操作による音色の振幅がすごいとおもう。なにあれ。たぶん天才。というかギターという楽器への愛が伝わってくる音。しかもそのフレーズも、ギターで表現したいことがあるからつって、曲の勢いや音圧を損ねないように算術がなされている。
ながくかいてしまった。書きたいことはまとまらなかった。けれど、エルレガーデンって愛されてるバンドだなぁとおもった。ツイッター大盛り上がりじゃん。かくいうおれも愛してるぜ。