まだロックが好き

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おめおめと生きている日記

次期 iPhone に必要なのは耐熱機能

 近代科学の魔神とでも形容すべき iPhone であるが、いまや防水機能、つまり耐水属性を帯び、フェリカも搭載され、これ一台でほんとなんでもできちゃう、ってゆうか個人情報とかいっぱいデータ入力されていて、いわばおれのシャドウ、みたいなかんじのミラクルメカなのだが、先日。これが故障した。

 

 ぐたいてきになにが故障したのかわからない。わからないけど、だしぬけに電源が落ちる。気合をいれて再起動せしめるのだが、アップルのリンゴマークがえんえんと表示されるのみである。なかなか復帰しない。復帰してもまた唐突に電源がきれる。おいおい、きれるぜ? おれも。

 

 こうなるとやっかいなのは定期券である。おれはモバイルSuica で定期券を管理しているので、改札ではアイフォンをタッチせしめる。しかし、ポケットからアイフォンをとりだし、矢庭に画面をみつめると電源がおちている。あせる。プラットホームには電車があと数分でやってくる。しかし電源がなかなかはいらない。脂汗がにじむ。この電車にのらなければ命があぶない。みたいなミッションインポッシブルみたいなかんじにひとりでなってる。

 

 ホームボタンも効かなくなった。そしたら iPhone が「ホームボタンこわれたかもよ?」なんつって、画面上にホームボタンの代替機能アイコンを出現させてくれた。そういうシステムが作動したようだ。こ、こわれることが前提のシステムなのか… ってゆうかもっと堅牢につくれよ。あとこのアイコン、画面にあると超邪魔。

 

 なにより面倒なのは充電ができぬことである。充電ができぬというかライトニングケーブルの接続ぶぶんが不良をおこしていて、うまく接続すればできる。なのでちょっとななめに差込み、その状態をキープすると充電できるのだが、針に糸をさすような繊細かつ、累卵のあやうきみたいな絶妙な位置決めが肝要であり、ひじょうに呻吟する。

 

 なぜ壊れたのか。というと、なんとなく原因はわかっている。おそらく日本の夏が原因である。

 

 先日。庭先にビニールプールをだし、空気を注入後、水を張り、水浴をたのしんだ。むろん三歳児と一緒にである。三十一歳がひとりでそんなことしない。いや、そういうと、多様性をおもんじる時代であるから、「大人だってひとりでプールしてハシャグぜ!」とフラワーカンパニーズみたいなことを言い出すひともおるかもしれないので、いいですよね、そういう趣味。やはり夏をかんじるのは水浴にかぎりますね。大人だってそういうのいいですよね。なんて言っておく。

 

 そのさい、息子がはなつ光の瞬間を切り取りたいので、防水機能をもっているアイフォンで写真を撮影する。青の濃ゆい空から夏の透明な陽射しがふりそそぎ、すべてをきらめかせる。いいね。すばらしいよ。でもちょっと殺人的。気象庁によると三十五度を記録するようだ。そんな炎天下、おれはアイフォンを放置してしまったのである。

 

 日本の夏はひとを殺す。これはマジ。ちゃんと対策を練らねばならぬ。だからといって、「ひとが死ぬので夏禁止」とするわけにもいかない。天体の関係で。だからおれたちは帽子をかむり、水分を補給し、空調をがんがん効かせた室内でアイスを食いながら夏におびえるのである。

 

 そんななか、まったく夏に対策をしない、というのは愚行というか、もはや粗忽ともいうべきである。つまり炎天下の対策、アイフォンの熱中症対策というものをしなければならないと、ぼくなんかはおもうわけですね。だから次期アイフォンには耐熱機能をつけてください。日本の夏をなめないでください。おねがいします。といいながら、おれはランプに祈った。