まだロックが好き

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おめおめと生きている日記

久しぶりにスラムドッグミリオネアを観たらやっぱおもしろかった

 おれたち人間のからだは六十兆個の細胞からできている。「兆」ってwww そんなかんじしないよね。そいで、その細胞にはデオキシリボ核酸という糸のようなものがある。いわゆるDNAというやつである。

 

 その人間のDNAをすべて直列させてみると、なんとそのながさ、120兆kmになるらしい。120000000000000キロメートル。120,000,000,000,000km。果てしねー。

 

 で、それがどれくらいのもんなのか、つうと太陽から海王星まで4,498,252,900 kmらしいので、もう数字がでかすぎてコンマの位置が曖昧になるのだが、だいたい27倍。つまりおれたちの身体には太陽系のながさの27倍ものDNAが秘められているのである。まじかー。

 

 太陽という恒星を中心に惑星はまわりつづける。運命的にまわりつづける。その銀河系では、天文学的な確立でありながら、惑星直列、いわゆるグランドクロスをひきおこすことがある。それは奇蹟なんかではなく、どこかでかならず線のそろう、必然なのだとおもう。

 

 そんな必然的な運命の瞬間に、大金をかけたクイズ番組に出演していた、というのがスラムドッグミリオネアという映画なのだとおもう。

 

 ネットフリックスで久方ぶりにこの映画を観賞したのだが、やっぱおもしろかった。プライムビデオにもあるのかしら?

 

 この映画をみて、インドの貧困、宗教問題、孤児、ストリートチルドレン、それを利用するマフィア、みたいな現代におけるインドの問題にかんして該博の知識を縷縷と開陳するひともおるのだとおもう。

 

 そういった問題をかんがえるエンタメとしても、この映画はよいのだとおもう。けれども浅学無学なおれにとってはそんなことはどうでもよい。うるせぇっつうんだよ。そんなことより、主人公ジャマールが悲劇的な運命に惑わされながらも、最終的には必然的な美しい軌跡をえがきだす、というシナリオにめっちゃ感動してしまう。

 

 でもけっきょくおれが一番好きなのはエンドロールで、あのダンスがいちばんの見所だとおもう。なんで踊るのwww みたいな。でもあのインドっぽい踊りがなければ、ただのバタ臭いご都合主義ムービーだったのでは。あの踊りがあったからこそとてもスパイシーな映画になったのでは。とは、まぁべつにおもわないけど、あの「なんで踊るのwww」って、さいごの飄逸味が最高です。

 

 よく「ちっぽけな人間」などというナルシスティックな自己憐憫をみかけるが、なんと猪口才な。おれたちにはこの銀河系よりも超大な運命をこの身体髪膚にいだいている。そんなウルトラデカい宇宙のなかでグランドクロスのような「ちいさな奇蹟」はぜったいに、運命的に起こるのである。

 

 そう信じて、おれはしわしわになった千円札を三枚にぎり、宝くじ売り場のおばちゃんに「連番十枚」という億万長者になるために必須の呪文を唱えるのである。うふふ。神はサイコロを振らない。