まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

電車内、体調不良の人多すぎ問題

f:id:yuasayo1013:20170327153245p:plain

3回である。半年間で3回。これが多いのか少ないのかはわからない。

そりゃあものごとにはそれぞれの尺度があるわけで、たとえば半年でフォアグラのグリルを赤ワインソースで堪能した回数が3回というのは庶民的感覚からして多いほうである。対して、この半年でカレーライスを匙でつっつく回数が3回というのは少ないんじゃないのか、と推して量る。

 

冒頭の3回というのは朝方電車内で席を譲られた回数である。ちょうふくする記載であるが半年という期間内である。なぜ私のような快活健康な人間に席を譲ってくれる方がおられるのか、といえば2歳の男性を抱擁しているからである。15キログラムほどの目方があるのでさいきん「お米ちゃん」という渾名をつけた。

 

元も子もないことを言えばこの3回というのは誇張している。じっさいはもう数回譲られた経験がある。しかしそれはノーカウントでお願いしたい。なぜならば譲渡人は優先席がほんとうに必要な障がいをお持ちの方や、妊婦さんだったからである。

 

そういった方々のお誘いは、譲渡するその勇気や慈愛に申し訳ないのだが、お断りさせていただいている。私たち家族はべつに立っていてもなんとかやっていけるのだから。

しかし、そういった方々は何度も席の誘導をうながしてくれる。毎朝おなじ電車に乗車しているのでタイミングは重なる。これまた申し訳ないので必然的に優先席はさけるようになってしまった。これはお断りをすることに精神的引け目をかんじてしまう私たちの弱さである。

 

そうして埼京線を走る電車内。お立ちのお客さまとして吊革につかまり振動に対して均衡を保っている。

私と同様の一団がいれば「すわります?」とお声かけするのが人情であると思っている。そうやって道徳教育を受領してきた。教育というか、まぁ日本で日常生活をおくっているとなにかにつけて「正義」や「勇気」、「節度」や「忍耐」、「寛容」や「慈愛」をおしつけられるような感覚を覚える。2歳児の寵愛するテレビジョン番組でいえば「アンパンマン」なんてのは表面的に自己犠牲というものが押し付けられる番組だ。

 

だがしかし誰も声をかけてくれない。おかしい。彼らにはそういった概念がないのか。もっとこう人徳とかないのか。ははは。そうか。うわっつらの仏教国。みなさん釈迦の生誕よりもイエスキリストの生誕を祝う理由がわかりました。ほんとうはここは切支丹のお国だったのですね。というのはなんちゃってって冗談ですが。

 

しかしなぜに?とおもんぱかってみる。わかった。私は思慮浅かった。すみませんでした。つまり埼京線、また高崎線の電車内で着席している方々はぜんいん体調不良なのである。

座席というのは着席するとリラックスできる。これは二脚による自重の負荷を臀部に内在する骨盤にて拡散できるからだ。立脚できないほどの体調不良。これが彼らを無慈悲たらしめている。元気いっぱいな2歳よりも自身を案じるのは人間の本能として正しい。

 

その理由を確固たらしめているのは他でもないマスクの着用率である。マスクの防菌効果はあまりない。いまだに最大のメディアでありつづけるテレビジョンでのたまっておったのでその情報に偽りはない。

ではなぜマスクを装備するのか?それは他者への配慮である。

自らの体調不良を風邪菌やその他もろもろ、よくわっかんないけど、その菌類の所業だと考察する現代人は内在する菌種を拡散すまい、と飛沫感染の防止にマスクを着用する。私は恥じたい。さっき席を譲らぬ不届きものだ、なんて感じに書いちゃったことを。マスクを着用しじっと身構え席に居座ることが彼らなりの慈愛であったのだ。

 

さらにその根拠はつづく。彼らは基本的にじっとしている。目を瞑っている。これはなぜかと申し上げますと、人間の脳への情報は視覚からが70%である。つまり視覚からの情報をシャットアウトすることで、寝たふりなんかをすることで脳の情報処理という負荷を避けている。そうしてとにかく自己回復につとめている。聡明である。うつくしいほどの自己防衛である。

 

外界からの情報遮断ということにおいて、スマホゲーム、耳栓型音楽鑑賞装置なんてのも適任であり、みなさん自分の世界に閉じこもり、そして体調の不良を良好へといざなおうと試みている。

 

なので健康優良のこんな私が彼らに「席を譲れ」などと思うことは、身の程にあまる思慮であってたいへん社会をなめた、見上げた根性というやつなのである。ほんともうそんなこと考えちゃって、すみませんでした。

 

なぜみんなこんなにも調子が不良なのか。現代社会のかかえる闇である。週休というのは基本的に3日くらいないといけないのではないだろうか。