まだロックが好き

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おめおめと生きている日記

Green DayのRevolution Radioを聴いた!

 

グリーンデイというバンドをもう、フラットな気持ちで聴くことはできない。

これがなんとも難しいトコロ。

どんなアルバムでも肯定してしまう。やっぱグリーンデイすげぇ!とか思っちゃう。

 

以下の内容、見る人がみれば批判的だと感じることもあると思います。

が僕はグリーンデイは好きです。

グリーンデイがグリーンデイであり続ける限り僕はグリーンデイを裏切りません。

 

レボリューション・レディオ

レボリューション・レディオ

 

 

グリーンデイは完成してしまった。

 

とくにアメリカンイデオットからはその革新的なアルバムのコンセプトと裏腹に、各曲に付随するグリーンデイ感が、狙っているエンターテイメント性がどこまでも付きまとっている。

 

悲しいことではない。むしろ求められている音楽を核心的に射抜いているのだ。

 

つまり何が言いたいかというと、グリーンデイはもうパンクというジャンルではなくグリーンデイというジャンルになってしまった。

21世紀のブレイクダウンで既に確立していたソレを、このレボリューションレディオで確固たるものとして世界に知らしめたのでは無かろうか。

 

グリーンデイの魅力の一つとしてあげるのであればその耳なじみの良いメロディだろう。ビリージョーアームストロングの作るメロディには歌心がある。

故に耳に残りやすく既視感ならぬ既聴感が否めない。

実際このアルバムに収録されている曲のメロディも斬新なものは無く、使いまわしのメロディが多く感じる。大御所バンドなんてみんなそんなもんだが。

4曲目の「Say Goodbye」は肩の力を抜いたような、鼻歌で作ったようなメロディはまさにそれ。グリーンデイ、ビリージョーの歌だ。

5曲目「Outlaws」もまさにグリーンデイのバラード、ビリージョーに内在しているメロディ。

悪口になりそうだけど敢えて言わせてもらうと、この曲は「Wake Me Up When September Ends~」とか歌いだしても気がつかない。

アルバムラストを飾る12曲目の「Ordinary World」なんてのはボブディランよろしくメロだ。やさしいメロディを内在させている人だと思う。

 

アルバムタイトルになっている3曲目の「Revolution Radio」なんてのもまぁ西海岸発祥のカラっとしたグリーンデイもよく使うようなメロや曲調。目新しさは無い。しかしアガル。その曲調自体グリーンデイがキャリアと共に作り上げたものだと言っても過言ではないだろう。

 

でもやっぱり7曲目の「Still Breathing」はグッと来てしまう。歳をとったせいか。

青臭いパンクソングだと思う。エバーグリーンな甘っちょろいメロディだと思う。サビまえのブレイクなんてありきたりで馬鹿っぽいし。

だけどやっぱりそのメロディに心は打たれてしまう。

またこの歌詞。「まだ生きてるぜ。まだ自分の意志で息してるぜ。」なんてビリージョーに歌われたらそれだけで意味をもってしまう。ヤバイ泣きそう。一聴したカンジコレがイチバン好きです。

 

ビリージョーアームストロングというこのバンドのギターボーカルは自分が出来ることをしっかりと把握している。

故に、奇をてらった実験的アルバムよりはみんながちゃんと楽しめるアルバムを作ろうとしている。ロックなんて所詮エンターテイメントだ、と把握している。

8曲目の「Youngblood」はそのコール&レスポンスを狙ったかのような曲。これもまた良いんだ。

 

誰だったかな、ビリージョーみたいなギタリストを褒めるべきとおっしゃっていた人は。

先行で発表された2曲目「Bang Bang」もいつもの焦燥感のあるグリーンデイギター。中間のアラビアンスケールくらいかな、特出すべきは。

6曲目の「Bouncing off the wall」もグリーンデイ感満載。

ギターを掻き鳴らすように弾けるフレーズ。大々的に「これでいいんだぞ」と後押ししてくれる。全国の不器用キッズは大喜び。若者よ!パワーコードを掻き鳴らせ!

 

9曲目「Too Dumb To Die」もグリーンデイ節が炸裂している。初期の曲でこんなのなかったっけ?とう気持ちになるのはココだけの話し。この歯切れの良いシングルコイルの歪んだギターがそれを喚起させるのかも。初期グリーンデイ。

対して続く10曲目「Troubled times」は後期グリーンデイといった印象を受ける。

アルバム内ではもっともダウナーで重苦しい雰囲気を受ける。こういうのが出来るようになったのは大人になったグリーンデイを見ているような気持ちになる。

 

11曲目「Forever Now」のアレンジ(タメやキメ、曲つなぎ)なんていうのはアメリカンイデオット、21世紀のブレイクダウンでやってきたことの延長線上という印象。新鮮さはない。けれどもグリーンデイ。コレがグリーンデイの形成してきたキャリアなのだな、とカンジさせる。

   

グリーンデイをグリーンデイたらしめるモノ。それがすべて詰まっているアルバム。

なにをやろうがこの3人が演奏すればグリーンデイ感は出てしまうのでしょう。

 

昔からグリーンデイを聴いている大人にも、これからグリーンデイを聴きはじめるキッズにとってもこのアルバムは、大音量で放出し、ベッドの上で飛び跳ねるには十分なパワーを有している。

1曲目の「Somewhere Now」の導入が小音なのは、もっと音量を上げろって意味だよ。

 

ドゥーキーでパンクロックのセカンドカミングをもたらした。

インソムニアックでは売れちまった世界への怒りや不安を露にした。

ニムロッドで自分たちへの音楽に宣戦布告をし、その音楽性を見事に昇華させたウォーニング。

ここで終わらせても良かったと思う。しかしグリーンデイは終わらなかった。

 

アメリカンイデオットからはアルバムに大きな意味を持たせた。21世紀のブレイクダウンもそう。

そうしてグリーンデイの音楽を突き詰める、というよりはエンターテイメントとして「伝える」ことに重きを置くバンドになった。まぁこのへんからU2ぽさがにじみ出てくるのだけれど。

 ウノ!ドス!トレ!も聴きましたが、3アルバム全部合わせると曲数が多すぎて聴くというより垂れ流すカンジになってしまうのでノーコメントでお願いします。まぁあれはB級曲の寄せ集めでしょう。

 

クソガキパンクバンドだったグリーンデイは世界に意味をもたらすバンドになってしまった。

この一石による波紋はどんな波を立たせるのでしょう。

僕はキッズたちにギターを握らせるには十分なアルバムではないかと、思います。

 

今回のアルバムもグリーンデイは僕を裏切りませんでした。

やっぱグリーンデイすげぇ!