焼き鳥は塩。
てんぷらは塩。
ホルモンもやっぱり塩。
江戸時代より南蛮渡来の様々な調味料が伝播されてきた、ここ。ニッポン。
時には化学という強大な力に翻弄され、時にはオーガニックという、か細い網の目にふるいをかけられる。
そして複雑にからみあう味と味の熾烈な戦いのなか、人はひとつの安息を見つける。
塩味だ。
どうしてこうも人は塩を愛しつづけるのか。
塩の役割を考えてみた。
塩は人間が生きるうえで貴重な栄養素である。
からだの塩分濃度が希釈されると異変をもたらし、最悪、死にいたる。
浸透圧?たぶんそんなかんじのヤツ。
それは昨今の熱中症における政府からの勧告などによって自明である。
水分ばかりではなく、塩分も補給しましょう。
そうして塩タブレットや、塩あめなどの購買を促進されている。
そんなこんなで生活に欠かせない塩は、かつては貨幣とおなじ価値があった。
古代ローマでは塩が給与として与えられていたのだ。それがどうやらサラリーの語源。(これはマジ)
ニッポンの歴史でも塩留めをくらった武田信玄。塩なしの生活に困窮する領民。
そこに上杉謙信が塩を送ったことが由来の「敵に塩を送る」ということわざからも人間社会に塩が必要なのはお分かりになると思う。具体例はない。
いや、具体例あった。魔よけの塩だ。
お清めの塩。葬式などで配布される。
盛り塩。なんかしらないけど古い家の隅っこに盛られる塩。
浄化。
そういう宗教的な意味あいもどうやらあるらしい。
不躾な来客を追っ払ったあとの「塩まいとけ!」も浄化効果を狙ったものであろう。
じつにカタルシス。意味は知らない。
ちなみにりんごは塩で表面を洗うが、塩で歯を磨くと良いというのは間違った知識らしい。
なぜこんなにも塩を愛するかというと、人は海から生まれたからだ。
何億年か前に訪れた生命の誕生。いや、こまかいことはわからんのでググってくれ。
生命は海から誕生した。なので人間も海からうまれたといって過言ではない。
そんな母なる大海に思いを寄せるのは、遥か遠い原始の記憶を遺伝子の深淵に刻んでいるからではなかろうか。
つまり塩とは原点回帰。
そんなこんなでゲットバック塩味。
シンプルで飽きが来ず、また奥ゆかしい。
ゲットバックで思い出したがビートルズもホワイトアルバムで原点回帰を成した。
ちなみにこのアルバムにゲットバックは入っていないが。
リボルバー、サージェントペパーズの複雑なサイケ路線をやめ、シンプルに、個人の楽曲を寄せ集めたアルバム。
ちなみに、このころ彼らはもっとも仲が悪かった。
ホワイトアルバムなんて味気ないタイトル(実際はただのビートルズというセルフタイトルだが分かりにくいのでこう呼ばれる)だが、各楽曲に個人の色が出て、いろんな味のするアルバムだ。
しかし全体的にあさっりしていると私は感じる。さらっと聴ける。重苦しくないのだ。
サージェントペパーズが大掛かりなコンセプトアルバムだったため、まとまりのないアルバムと形容されるが、ぜんぜんそんなことない。
シンプルで飽きが来ず、また奥ゆかしい。
もちろん名曲が多く、好きな曲など選べない。
ジョージの名曲「While My Guitar Gently Weeps」はギターの現人神エリッククラプトン柱が泣きのギターを響かせている。
余談になるが、クラプトン好きのおっさんが自分のギターに「クロちゃん」と名づける率は異常である。ちかくにクラプトン好きがいたらたずねてみて欲しい。
またこれも余談だが、ディスク2の1曲目「Birthday」は志村けんのバカ殿さまのテーマで有名なヤツ。
なぜこれをバカ殿さまで起用したのかは、その白塗りの顔面とホワイトアルバムを掛けているのではないかと個人的に推察している。
またまた余談をしていいですか?
ディスク2の8曲目「Revolution 1」ですがこれ、ジョンが寝そべりながら歌ってレコーディングしたんですよ。リラックスしたテイク、間延びしたテイクを狙ったんでしょうな。
そんなテイクが欲しかったのか、ミスチルのDISCOVERYに収録されている 「I'll be」はボーカル桜井が酒をのんでレコーディングしたという。
それは、このジョンレノン飲酒レコーディングにインスパイアされたのではないかと勝手に思っている。
余談が多くなってしまった。
そもそもホワイトアルバムの話しも余談。
ホントはなにを書こうとしたか、というと、
昼に食した(食了した)
東洋水産マルちゃんでかまる塩バターコーンラーメン
が安定してうまかったから。
それだけの日記。
バターの風味がおいしかったです。