まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

実録「こいのうた」

 

さだまさしが言っていたと思う。

男性が女性目線の歌詞を書くとなんかイイ感じになる、みたいなことを。

おっと、失礼。さだまさしさん

 

…またもや失礼。

 

さだ☆まさしさん。

 

GO!GO!7188という私の青春を具現化したようなバンドがいる。

現在の活動状況はわからないので「いた」かも、しれない。

その彼らのヒットソングに「こいのうた」というものがある。先日アイポッドをシャッフルして聴いていたら流れてきた。そしたらついでに涙も。

このバンドは女性のバンドで女性目線のうたを歌っておるが、私の心にもどんぴしゃで当てはまった。私はおっさんだが、心は乙女なの。

ということで、誰も興味ないだろうけど、私の初恋を語りたい。

 

あれは中2の夏だった

もう中2の夏ってフレーズが青春。

青春て中2と高2でやってくる。それ以外は惰性。

予備校に通い始めた。

高校受験に向けてだった。

中学まではまともだったTheピーズ「バカになったのに」よりので、成績は悪くなかった。

なので正直行く必要はない、と思っていたが、周りがポツポツと夏期講習に行きはじめ、仲の良いたっくんも行く、というので誘われたからだ。

あのころ予備校ってものを若干バカにしていた。

というのも、予備校に通っているヤツでも私より勉強が出来ないヤツが多かったからだ。まぁ勉強できないから通うのだろうけど。

で、↑こんな感じで、斜に構えながら通った予備校だったけど、楽しかった。

私は当時、転校したてだったのであまり友達がおらず、上記のたっくん以外にはあまり心を通わせる相手はいなかったのだ。

しかし予備校の夏期講習では自然とコミューンが出来上がり、友達も増えた。

どうやら私は謎キャラだったらしい。

たしかに担任の先生などにはよく突っかかっていたし、その割に成績は良い。

しかもイケメンで転校後のその夏までに3人に告白されるが、フりまくるなどで素性がわからなかったようだ。(ちなみにこの時のひとりは学校のマドンナ的存在の娘もいたのでそれをフった私は同性愛者疑惑と、彼女のことが好きな権力のある上級生に目をつけられることになる。)

しかしフタをあければ、オチャメで陽気なジャズマン。

このあたりは私の人生のゴールデンタイムなので、少々自慢のようなものが入る。すまないね。

充実した予備校生活。

もちろん他校の生徒もいた。

しかし、やはり地域の壁は越えられず、基本的には学校ごとに集落が出来る。

そんななか、他校の生徒がとなりの席になった。

その子が久美ちゃん。私が本気で好きになったはじめてのひと。

しかし、私は恋なんてしている場合ではなかった。

というのも、友達コミュニティを形成するのに必死だったのだ。

なので隣が、どこの馬の骨かも知れない女だとわかった瞬間、落胆した。

こうしてふさぎこんだ気持ちで短いタームの夏期講習がはじまった。

 

中2の夏期講習

他の仲のよい友人たちは別のクラスだったので、授業がはじまる前は退屈であった。

なので、パラパラと問題集などを眺めながら余暇をもてあましていた。

そんなとき「消しゴムを貸与していただきたい」といった旨の発言が私にふりかかった。

それが久美ちゃんとのファーストコンタクト。

厚かましい女だな、と思いつつも、無駄な軋轢を生みたくなかったので「いいっすよ」の二つ返事で貸与した。

そうして授業が始まるのだが、消しゴムを貸したままなのを私は忘れていた。

もちろん授業中は私語厳禁。

しかも私たちは、よりによって一番前の席。

目立つ。

しかし、そんな中、彼女は折を見て私に消しゴムを返却してくれた。

あのスピードをわすれない。鬼神のごとき速さ。ゴッドスピードユーエンペラー。

そして、コツコツとペンシルを鳴らす音。

振り向くと、手のひらに 「ありがとう」と書かれていた。なぞの絵とともに。

それが私のなかで大ヒットした。もうツボ。

コーヒー吹いたwwwみたいな慣用句がネットにあるが、それ。噴出してしまった。

いまだにアノ絵はわからない。たぶんイヌかクマかロボだと思う。

そして予備校講師に目を付けられ、わずかな注意を受けた。

しかしそれから私たちの間で「手のひらサイン文通」が密かに始まった。

 

手のひらペンパル

短い期間の夏期講習。秘め事というのは親密度を加速させる。

あらかじめ言っておくが、まだこの時点では全然恋愛対象外。

なんかおもしろい女。程度の認識。

でも、おたがいすごく笑いあった。手のひらと、ノートの文字で。

授業中の「笑ってはいけない」状況が相乗効果だったのかもしれない。

とにかくお互い、講師の目を盗んではクスクスと笑いあった。

前述したように、我々は最前列のシートに居を構えていた。

もちろん後部には私の友達の友達もいるので、この邂逅は、相思相愛であるとウワサがたった。

私は一切そんなこと思っていなかったので、ふと友達に「オマエは久美ちゃんのこと好きだもんな」なんて同意を求められたとき、ドキッとした。

「そういうんじゃない。おれはホモだし」みたいなことを言った。

上記のマドンナ失恋事変でのことを自虐ネタにしていたからだ。

そんなこんなで、この夏期講習は終わった。

最終日はとくになにもなく、しれっと一日が終わったんだと思う。

覚えてないからそんなもん。

 

そりゃ同じ予備校にいるから度々出会う

手のひらペンパルを経た我々。どこかしら親近感はあった。

久美ちゃんと廊下の向こう側で目が合う。

そんな時彼女はピースサインをくれた。

指先がピンとまっすぐ伸びた綺麗な意志のあるピースサインであった。

いまでもシャッキっとしたピースサインを見ると思い出す。

もちろん私も、返した。おまけにニカっと笑ってみたりした。

そんな最低限のやりとりだけしていた。

なにも起きずに中3になった。

 

久美ちゃんに彼氏がいる事件

学校でひょうんなことから久美ちゃんの話になった。

たぶん恋愛の話しのときだったと思う。

「でも久美ちゃん、原と付きあってるじゃん」

愕然とした。

おそらく私はこの時、初めて久美ちゃんが好きだったことに気がついた。

自分の気持ちに気がついた発見よりも、その事実が私を硬直させた。

原は学校一のいわゆるヤリチン。

たしかに妙に大人っぽかったし、中学でモテる「ちょいワル感」がでていた。

たしかアイツは夏期講習で後ろにいたはず。

私と久美ちゃんの秘め事を観察しつつ、なにを思っていたのだろうか。

でも一方で知っていたのは原は、今、小倉と付き合っているはず。

私は誰とでも仲が良いのでこれは本人から聞いていた話しだ。

私は久美ちゃんが好きみたいな感じはまったく出していなかったので、これは直接原、本人に事情聴取を行った。

 

じじつであった。

しかし現在はそういった関係ではないらしい。

よかった。

安堵&安堵。

しかしその後の彼の発言にさらに精神的な追い討ちをかけられる。

 

「いっぱつヤッて別れたわ、なんか背中にきたねぇアザあるし」

 

 

三日間寝こんだ。

 

中3はおそらく人生の黄金期中の黄金期

なぜだかその一件以来、久美ちゃんとはあまり遭遇しなくなった。

それもそのはず。すでにクラスごとによって偏差値分けされていたのだ。

私はいわゆる進学校組のエリートクラス。

久美ちゃんはそこそこ良いとこの女子高を目指すクラス。

まぁ会わない。

ピースもしない。

でもたぶんどこかで久美ちゃんを探していたんだと思う。

山崎まさよしの「ワンモアタイム、ワンモアチャンス」みたいな。

ってかアレを聴くと、あの予備校が思い出される。ヤバイ。

そんなこんなで、モテる私は別の恋を始めていたと思う。

中3はクラスにも恵まれ、最高に楽しかった。

学校が嫌いであった私が、学校に行きたくない日がないなんて!!

そんなこんなでカオリちゃんと私は仲良くなった。

彼女は勉強も出来るし、ノリもそこそこ良い子だった。

カオリちゃんが好きではない、といえば嘘になる。もちろん好きだった。

でも、どこかで私はずっと久美ちゃんが好きだった。

 

中3の夏期講習

そんなこんなでまた夏期講習が始まった。

中3ともなれば受験勉強に本腰を入れ始める時期。

なので授業も地元の小さな教室でなく、ちょっと都会よりの大きな校舎でやるヤツだった。

ここでまた出会うわけだ。久美ちゃんと。

久しぶりに出会った久美ちゃん。

おれのことなんて忘れてるだろうなーなんて思ってた。

でも目が合った瞬間。彼女は前と変わらないピースサインをくれた。

あの光景はいまでも鮮明に覚えている。

すごくうれしかった。

しかも久美ちゃんも驚いた、嬉しそうな顔をしてくれていた。

頭のなかがグツグツ煮える感覚だった。

諸手をふって答えたかった。

けど、私が出したのは引きつった笑顔と、ふがいない会釈だった。

 

なぜ。

 

おそらくかなり動揺したのだと思う。

女性経験のない、中学三年生なんてそんなもんだ、とも思う。

けど、あれはなかった。完全に失敗。もうやだ。

あそこで、人生のなにかが変わったってことはない、と思う。

けどあの場面は人生やりなおしたいリストのなかで上位に食い込んでくる。

まぁこの経験はのちに活かされるんだけどね。

この夏期講習はまた久美ちゃんを探す講習になった。

たまに出会った。というか探した。

気づいて欲しかった。目だけでも合ってほしいと願った。

目が合ったら彼女よりも早いピースを!と思っていた。

結局、できたピースは数えるくらいしかなかった。

でも、その数回が私にとってはすごくうれしかった。

今日は久美ちゃんとピースができた、そんなことで一週間はハッピーだった。

 

中3。秋。そして冬

私は秋から本腰をいれて勉強をはじめた。

まぁ中学くらいの勉強なら全然なんとかなった。

試験の点数もよかったし、学校も予備校も楽しかった。

学校ではやっぱカオリちゃんと仲良くしていた。

おそらく、いちゃいちゃレベルだった。

でも、予備校が楽しかったのは、この秋から久美ちゃんとよくすれ違うようになったからだ。

とんだ二股男だと思われるかもだが、私の中で決定事項がすでにあった。

カオリちゃんとは男女の関係になっても、久美ちゃんとはなれない。

なんというか、好きなのは久美ちゃんなのに、彼女とはずっと友達でいたい。

そう願ってしまっていた。

だって会うたびにピース。

このころは一言二言会話していた。

よう!元気?みたいな。

久美ちゃんはいつもおどけた返しをしてくれた。おもしろい人だなと思った。

テストの結果とかが、予備校に張り出される時とかあったんだけど、私は比較的上位にいた。

それをみつけた久美ちゃんは私の名前を見つけて指差しては「すごいね」みたいな顔をしてくれた。

それがすごくうれしかった。誰に褒められるよりもうれしかった。

でも、結局はそのコミュニケーションがただ楽しかっただけなんだとおもう。

すごく楽しかった。私は久美ちゃんが好きだった。のを改めて確認した。

で、これは周りの友達にも名言していた。

おれ、めっちゃ久美ちゃん好きだわ~友達として。みたいなこと。

男子の結束力は強い。

誰も久美ちゃんと仲良くしている、といっても挨拶ていどなんだけど、そのことをカオリちゃんには言わなかった。

みんなカオリちゃんとのことも知っているからだ。

このとき厳密にはカオリちゃんとは付き合っていない。ただの仲良しだった。まぁ卒業後に付き合うことになるのだけど。

 

入試試験とその結果

あまり覚えていないけど、めっちゃ勉強してた。

この時は自習室も開放されていて、残って勉強とかしてた。

休みの日も赴いた。

久美ちゃんもいたから会いにいくのも、理由だった。

自習室で、話しかけるのは静かなので憚られる。

久美ちゃんの席を立つタイミングを見計らっていた。

しかし、ここでひとつ難関が訪れる。

アッチャンという存在。

久美ちゃんもこの予備校には随分いる。そりゃ自分のコミューンを形成するわけだ。

そのアッチャンは久美ちゃんと志望校が同じだったので仲良し。

前述したが久美ちゃんは私と中学が違うが、アッチャンは同じクラス。

しかもカオリちゃんと面識がある。

いらぬ進言をされても、困惑するのでちょっと距離をおいてしまった。

でも、ずっとピースは続いている。

それだけで、うれしかった。

 

入試試験を終えた中3。開放感。

私は余裕だった。結果受かったし。

予備校にはもう近づかなくなっていた。そりゃ勉強する必要ないんだもん。

で、入試結果の発表後はそれを予備校に持っていった。

落ちた友達もいたので、まあなんとも複雑な気分であった。

ということで、予備校側が「おめでとう会」みたいなんを開いてくれることになった。

 

でも、そこで久美ちゃんに会うことはなかった。

とりあえず、彼女も志望校に受かったみたいだ、張り紙あったし。普通にうれしかった。

 

中学卒業と同時に怒涛のモテラッシュ

悪いが、自慢だ。

めちゃくちゃ私はモテていた、らしい。

知らん女からも呼び出された。

というか、私のモテ具合により、カオリちゃんを含めた女性陣営の対立が成されていたようだ。罪な男です。

結局、カオリちゃんと付きあった。

はじめてチューしたのもこの時期。

春休みなど、めっちゃ遊んだ。ちなみにカオリちゃんとも違う高校。

この時、私はなにを思っていたのかわからない。

ただ、久美ちゃんのことを忘れたことはなかった。

 

高校に入って

まぁ中学で付き合う、って人生経験の一部だと思う。

結局すぐ別れた。それぞれの道があるからね。

 

このとき、久美ちゃんの中学の同級生と知り合いになった。

私は卒業間近で携帯を購入したので、久美ちゃんの連絡先など知らなかった。結局アレから会えなかったし。

そこで恥を忍んで、ソイツに聴いた。

初めて久美ちゃんに送った文面は短文だった。

「おひさしぶり~。予備校で一緒だったおれだよ~。○○から連絡先聞きました~。げんき~?」

陽気を装ったと思う。返信がくるか、ドキドキだった。

でも返信は割りとすぐ来た。

そっから、お互いどんな学校生活か、なんの部活にはいったか、文化祭はどうだとか、私は彼女の生活のジャマにならないようにタイミングを見計らって送っていた。まぁ邪魔だと思ったけどさ。

で、文化祭は実際見学に行った。

女子高の文化祭ってだけで、一緒に行く道連れはすぐに見つかった。

忙しかったみたいで、会えなかった。

部活の発表会みたいのもあったけど、久美ちゃんはまだ一年生なので裏方。

雰囲気だけたのしんで帰った。

それから、私もバンドをやるようになり、連絡もとらなくなった。

 

反省を活かせ!

高校でバンドをやるようになり、表題の曲を知った。

伝えられない恋心、みたいのを歌っていた。

あなたがほかの人を好きなの、しってる。みたいな。

当時はベースを弾いていたけど、弾きながら、泣きそうになった。

久美ちゃんを思い出していたから。

でも、きっと彼女ももう彼氏がいて、連絡なんかしたら邪魔だよな。て思っていた。

よくよく考えてみると、久美ちゃんは美人だった。あと巨乳。そして性格めっちゃ良い。

このころ、実は私はとある女性と出会っている。

部活のマネージャーなんだけど、1年生で出会ったときはなんとも思っていなかった。

でも3年生になって事態は急変。

話しをしているうちに、あ、おれ、コイツといると楽しい。好きかも。ってなった。

これは過去の久美ちゃんとおんなじパターンだった。

私は基本的に人を好きになることが少ないタイプだな、と思っていた。実際その通りなんだけど。

だからすきになったら、それを伝えないと、また久美ちゃんの時のように引きずるな、と思った。

しかし、時は高校3年生。

受験まっしぐら。

相手にとっても、この告白は迷惑ではないのか?そんな葛藤を抱いていた。

 

そして妻になる

結局、その子に告白した。

「私はあなたが好きなので、交際をして頂きたい。」そんな旨を端的に述べた。

答えはオッケー。

やったー!!

っていってそれがいまの妻なのだけど。

 

私は反省を活かせたと思う。

反省?というか、なんなのだろう。

あの時の気持ちのリサイクルというかなんというか。

好きになった人には好きと言わなきゃ後悔する。

久美ちゃんの一件がなければ、おそらく私はいま誰とも結婚してなかったと思う。

そんな理由を妻は知らないと思うけど、久美ちゃんがいてよかった。

妻は可愛くて面白い。貧乳だけど。

私は一緒にいて楽しい人が好きなんだな、と思う。いまの妻以上の人は現れないだろう。

そんな彼女と結婚できたのも、過去のおかげです。

えらい長文を書いてしまった。

まぁここまで読む人はいないと思う。

見逃してくれ。

でも書きたかったんだ。

伝えられなかったおもいも、糧になるんです。

 

 

ベリー・ベスト・オブ・ゴー!・ゴー!

ベリー・ベスト・オブ・ゴー!・ゴー!