まだロックが好き

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おめおめと生きている日記

人をダメにするクッションについての考察

 

無印良品という株式会社が売り出しているビーズクッションに渾名がついている。人をダメにするクッションというヤツだ。おのれの惰性をクッションのせいにするストレス回避社会。素晴らしいと思っている。

 

我が家は今年の初売りでそれを購入した。別にダメになりたかったわけじゃない。そんなに落ちぶれていない。いや、落ちぶれているからこそ、心だけはせめてまっすぐに、と思っている。どんなに腐っても信じるモノが私にはある。

 

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 2個買った。

 

 導入の意図

我が家にはソファがない。買っていない。理由は居間を広々と使用するためだ。それはなぜか?と問われれば、2歳の男性と居をともにしているので彼の自由放埓に拍車をかけるため。と申しておきたい。

2歳の男性というのはバケモノだ。傍若無人の権化だ。「自由」を具現化するとだいたい2歳の男性のカタチをとる。しかし社会という檻のなかで時代の波に隷属的な私たち大人にとって、彼のような存在は、まったくもって「救い」なのかもしれない。

居間の話であるが、やはり2歳男性のレクリエーションなどに面積の広さは必要不可欠である。テレビジョンを見るだけでも、いないいないばぁの際は、わーお!を。おかあさんといっしょを鑑賞中はブンバボンを。その他諸々のテレビプログラムに付帯する舞踊を乱舞するには固定されるソファはすこし邪魔である。

よって我が家は、小規模でありながら運搬に労を要さない、しかし人をダメにする、という呪いのクッションを導入したのであった。

 

メリット

文脈的に察しがつくと思うが、念のため、シャンプーの話ではない。

このクッションの利点を簡潔に話したい。

まず、形状の応用が利く。クッション内部のビーズが縦横無尽にうごめくので、身体をもぞもぞと動かすとそれに従ってクッションが形状を変化させてくれる。これによって人はクッションに埋もれることになる。ここが人類を堕落させる、といわれる所以であると思われる。

古来より人は道具を使ってきた。それはホモ・サピエンスの有史において大きな一歩である。ヒトは道具を考え、工夫して使うことにより歴史を発達させてきた。いまこの科学の恩恵を受けた生活があるのも石をけずったナイフから始まったと言っても過言ではない。

それがどうだ、このクッションは。

人間が工夫して、もっともベストな体勢をとろうと試行錯誤する前にクッションのほうから善策を提案してくれる。なんたることか。

おそらくこのビーズクッションの中には、コンピュータの核みたいなものが入っている。人がクッションに腰をかけた瞬間、そのコンピュータが人間のもっともラクになれる姿勢を計算ではじきだす。科学の力も遂にここまできた。もうすぐターミネーター2の銀色のあいつも完成されるかもしれない。

話しが大幅にそれた気がするが、なにも考えずにラクな姿勢がとれるのは利点である。あと邪魔なときはすぐにどかせるし、2階へ運搬したって良い。つまり「どこでもソファ」になるのである。メリットである。うちのシャンプーはパンテーンだが。

 

デメリット

光と影は共存する。つまり、良いところもあれば、悪いところもある。ということの抽象表現である。

じつは私はじっさいそんなにダメにならなかった。あらゆる拷問に耐えられる特殊訓練を受けているからだと思う。肉体も精神も強靭である。人には言えない仕事をしている。無論、一般的なスペックの人間であればすぐやられてしまうだろうが。

ではなにが不利点なのか?と問われるとこれは確実に腰に負荷がかかる。すまない、上記にウソがあるとすれば、肉体において腰が弱い。腰痛持ちだ。

クッションが脱力した身体にフィットしているため離脱にコツがいる。その際、負荷が腰にかかる。これはどんな姿勢をしていてもだ。最終的に腰がクッションに残るので腰を起点に起き上がる。これがやばい。ダメージ。最近は落ち着いてきた腰痛であるが、久方ぶりに再発している。これはこのビーズクッションのせいだ、と断言できる。妻はそんなに感じていないようだが。

あとカバーやクッションが型崩れをするため、1日いっかい座部、つまり座る面を変えましょう、とマニュアルに記載されていた。まぁたいして面倒ではないが。

 

総括

このクッション、いやソファというべきなのか。まったくもって謎であるが、おすすめか?と問われれば、そうでもない。と答えておく。

理由は個人的に腰がいたいから。しかし、これが居間に来てから家族はいっしょにテレビ画面を見る機会が増えたし、落ち着く場所が一つ増えた。この殺伐とした現代ではなかなかないことだ。

つまり、とても恩恵を受けている。

だからみんなも買えば良い。