晴天がきらい。お天道様に「お外にでて遊べ」と急き立てられる錯覚を起こすからである。こっちゃつかれとんねん!とゼイロク風情に語ってみるも、無情にも空は晴れていた。
上尾市の丸山公園に赴いた。広大な敷地の公園である。入園料などはない。午前10時到着。まだ駐車場には空車があった。駐車場も無料である。吝嗇な我々にはたいへん都合のよい公園である。
ローラーが敷き詰められた座面を擁するすべり台である。このタイプは比較的スピードが出ない。安全ではあるがスリルはない。一長一短だとおもう。
うそのように晴れていた。この晴天の向こう側に暗黒の宇宙があるなんて信じられないくらいだった。
いつまにか体つきもしっかりしてきた。いろんなことが出来るようになった。反抗のパワーもすさまじい。焦点はいつも「今」というもっとも大切な流れに合っている。
恐怖心よりも好奇心が強い。こどもの発育はそれぞれだとおもう。これを怖くて渡れない子もいた。もうすこし恐怖心があってくれたほうが親としては助かる。しかしそれはエゴである。
めがくらむほど太陽が輝いていた。眩耀とはこのことかと思った。
汗ばむ身体に塵埃がまとわりついた。いやになるほど夏だった。
よどんだ池に人間の愚かしさをかんじる。いつか青い大海も、このよどんだカーキ色になってしまうのではないだろうか。ナメック星みたくなっちゃうんじゃないか?と不安が過ぎる。
その先に見つめるものがあった。
たまたま釣りの体験機構が運営されていた。「釣りインストラクター連絡機構」ってなんなのかよくわからなかった。
池べりはたくさんのフィッシュマンで犇いていた。平均年齢は高かった。ポマードが薫った。
息子が釣りを「したいしたい」と渇仰した。妻と私は困惑した。予約制度を設けていたようなので、いまからでは釣りは出来ない。
そんなとき、近くにいたユウトくん(推定年齢6歳 男性)が、息子の肩に手のひらを乗せ「此処に魚を捕らえている。海老もいる。」などと言って自前のバケツ式魚籠(びく)を見せてくれた。釣果はまずまずだったようだ。
しかし、私はなによりその心意気がうれしかった。
また運営の方々が、慟哭する息子を見かねて養殖の魚を特別に見せてくれた。
思えば、息子ができてさまざまな人たちから優しさを受けている。
いやになるようなこともたくさんあるけど、世界には優しさが溢れていることを忘れないでいたい。
テントを持ってきていた。とても良い。4,000円とかだった。「これまだ買ってないバカいるの?」と煽るのは妻である。
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お菓子を食べた。息子にはよく浜昆布をしゃぶらせている。あとサッポロポテトが死ぬほど好き。
そのあと水遊び場があったので遊んだ。きれいな清流だった。水底は丸石で舗装されていた。人工の河川である。大小様々なキッズがおもいおもいの時を過ごしていた。
どうやらこどもの足裏には痛覚が通っていないようだった。舗装されていてもちょっとした砂利などは存在する。なにより平坦な道ではないのでぼこぼこが足つぼを刺激した。すこし肝臓が健康になった気がした。
午。飯を食いにいった。新道というちいさな食事処である。窓際の座敷にはおもちゃが配置されている。これによりキッズは落ち着きを保ちつつ食事の提供まで待機できる。たいへんな配慮である。
もうひとつ配慮がある。品書きには大きな写真がプリントアウトされている。東京オリンピックに向けて準備はばっちりだった。
ざるうどん650円。コシが強い。噛めば噛むほどうどん粉の優しさとみずみずしさを感じられる逸品である。うまい。
まぐろカツ定食。1000円。
じつは新道さんに訪れたのは二度目である。なぜ再訪かというと、このまぐろカツがべらぼうにうまかったのである。ぜひもう一度食べたいと思い、訪れた。
ひと噛み目にはすこしまぐろの油が鼻に付く。が、箸を進めるうちにまるで気にならなくなる。それよりもとろけるようなまぐろが最高のエンターテイメントである。味付けはみりん酒醤油のやわらかい味付けであるが、大根おろしと相まってまぐろカツのもっている潜在能力を引き出している。まぐろカツはあなどらないほうが良い。
このまぐろカツを食べるため、その辻褄を合わせるために丸山公園へ来ているといっても過言ではない。ちなみに他の魚類は食わない息子もよく食った。
パーフェクトサンデー。と命名すればすこし甘味なイメージが湧くが、そんなよく晴れた一日だった。こんな日々がいつまでも続けばいいな、と思った。