「生き馬の目を抜く」というなんとも物騒な表現がある。
僕がここ最近でイチバン使いたい言葉だ。
しかし使うタイミングにどうも二の足を踏んでしまう。
リアルな会話に用いる程、僕は咄嗟の会話に流暢でない。
レゲエには時間を失速させる力がある。
チョー格好良い言葉を使うと「音楽の力」ってヤツだ。
ちなみにジャズはその力が顕著。
一瞬でオシャレ空間を演出できる。
嘘だと思うなら部屋を暗くして、スピーカーで(ヘッドフォンは駄目、空気に触れたジャズを聴いてください)マイルスデイビスのカインドオブブルーでも聴いてみてください。そこにバーボンでもあればいつもの部屋がちょっとしたバーに早変わり。
これがジャズマジックです。
レゲエの力は先にも述べたが刻の流れを緩やかにさせる。
1秒が1.3秒くらいになる。たぶんマジ。クスリの力はいらないぜ。
4/4拍子に少しタメのある裏打ちリズム。ン…チャッ…ン…チャッ。
ゆったりと身体を落としてリズムをとりたくなる。
ロックはその焦燥感のあるテンポゆえ左足のみでリズムを刻みたくなるが、レゲエは身体全体をリズムに落とし込む。
ゆっくり熱い温泉にはいるようにもったりとした音楽に身を委ねるのです。
そうゆうことで今僕はAlthea & Donnaをyoutubeで聴いている。
外国人のパフィーがダブ、ロックステディを下っ手糞に歌っている、といったカンジ。
ニッポンでダブといったらフィッシュマンズだろう。
最強のニッポンの3ピースバンドはなにか?という問いを起こしたとする。
迷わず僕は時代を作ったハイスタンダードだと答える。
それは技術うんぬんではなく存在価値として最強だと思うからだ。
しかしここに思わぬ伏兵がいる。
フィッシュマンズだ。
演奏技術ってのはそのジャンルに於いてどれだけそれを表現できるかってのに尽きる。
フィッシュマンズは上手い。演奏技術でいったら神の域。
しかし彼らのその演奏技術がもたらすのは楽曲の世界観。
指が動くこと、早く太鼓が叩けること、そんなことはどうでもいいのです。
曲を活かすための技術。フィッシュマンズはすばらしい。
それがフィッシュマンズの僕の位置づけ。
僕も実は初めて聴いたときはピンとこなかった。
まだ高校生。パンクキッズだったから。
でも音楽を浅く広く聴こうと思い立ってから改めてフィッシュマンズを聴くようになった。大学生くらいだったかな。
生きることに必死だった。なんだかんだ忙しかった。 そんな矢継ぎ早に予定がはいっている状況でもフィッシュマンズは浮遊感のある時間の流れをもたらしてくれた。
酒を飲んでフィッシュマンズ。実はコレまだ未体験。やってみたい。もっとフワフワしちゃうのかな。
まぁとにかくフィッシュマンズ。浮遊感。この言葉に尽きる。
でもなんだかんだこのジャンルはあまり聴かないので良いバンドがいたら教えて欲しい。
生き馬の目を抜くような時代だから。