まだロックが好き

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おめおめと生きている日記

ホワイトデーは和訳すると「白日」

 

「白日の下に晒す」なんて表現がある。隠蔽されたものごとを明るみにする。といったような意で。なのにあえてこの3月14日の儀礼が「ホワイトデー」っちゅー名前に成り果てたことに、私はとても感銘を受けている。ひとしおに。

 

白日はすべての思惑をさらす。

 

なんの情報操作か知らんが、2月14日に開催されるバレンタインデーと呼ばれるチョコレート菓子献上イベントにおいて納品したそのチョコレート菓子の返礼を、男性はホワイトデーにちょっと高めにして返礼しなければならない、というのが通例になっている。

 

なぜちょっと高めなのか。

虚栄心である。男は基本的にばかで見栄っぱりなので、なめれらたくない。ゆえに返礼は「ちょっと高めに行う」。しかし、それだけならまだしも汚い腹黒もある。

 

義理人情でいただいたものに対して、誠意をちょっとばかし上乗せするのは日本の「礼節」であると思う。

しかし、ことホワイトデーにかんしては、こんなもんただの男の見栄や虚栄とともに威嚇。優勢力とともにワンチャン。

 

つまり「あなたが片手間にくれたものに対して、これだけの返礼ができる私は経済的にうるおっているし、やはり経済的に潤沢な男性は資本主義社会においてオスとして優勢。だから、これは、あなたは私に好意をいだく理由になりえる。

しかも、こちらも片手間。つまり、片手間なのに高価なものを贈呈できる私の資本的優位性はとってもすごくない?今夜どう?」

的な男の腹黒。白い日は、黒い思惑を際立たせる。しょうもない。

 

だから、ホワイトデイにあからさまに高額な返礼をしてくる男性には、あけすけな表現をしてしまうと「性的衝動」が含まれているので女性は注意が必要である、という勧告をしておきたい。

 

しかしこの男のばかさ加減を利用し金品を毟りとる性根のくさった女もいることも晒される。白日のもとに。

 

男の虚栄心、性的衝動を逆手にとり、見返りを推察したうえでの人選をおこない、献上品に優劣などを設ける女。

その人選のさいに計上される利益がすくないことも見受けられる人物もいるが、計算高い雌狐だとおもわれないように、と全員にある程度の贈呈をする女。

「おかえしはいりませんよーo(*^▽^*)o~♪」なんて、あえて「お返し」というフレーズを使用し、きたるホワイトデーをサブリミナルに意識させる女。性根のくさっているのはおれなのか。

金額にたいする金額の返礼であれば、話しはそこまでで、そのへんのレベルの男女でやっていてくれれば構わないんだが、ひとつだけ、ことばの魔法に対する詐欺があるのでそれだけは以下に言及したい。

 

「手作り」というマジックワード。これの殺傷力たるや、いかがなものか。すべての男性の精神的こちょばいところをたくみに刺激する。

 

タイムイズマネーとはよく言ったもので、時間という全人類に平等であり有限な、この不可逆を「ふんだんにつかいました 」という主張をなす「手作り」。

この「手作り」のチョコは、じっさい既製品の板状チョコレートを溶解し、型に流し込み再形成しただけの一品であることが多々。これを手作りと言うのであれば手作りの定義とはなんなのか。チョコの手作りとは、まずカカオを摘むべきではないのか。

 

しかし、「手作りです」なんて言われたらそれはもう強迫。こっちはもう返礼に多少の命をかけないといけない!という観念に駆られる。破壊と再構築しただけの品。ことばひとつを足すだけでこんなにも価値があがるのか。錬金術とはこのことなのか。

 

それを真に受ける童貞男子。純白か。

というフレーズがでてきたところで、やはりホワイトデーは男女のさまざまな思惑を白日のもとに晒す、とともに、純白な心をもった男性の清らかな思いの恩返し。ということなのだろうか。ほんとうに晒されてしまったのは俺の心の腐敗具合なのか。

 

白日

白日