まるで男気というものがなくて慙愧に耐えない。
というのはやはり住居購入の際、半年間も因循していたからである。
なんども住宅の売人に「決める人はすぐ決めちゃいますよ」と、男としての了見を問答されたが、煮え切らない私は右顧左眄し、決めあぐねていた。
そんな私が半年間でだした答えを、インターネットという一陣の風に乗せて書きたいと思う。この記事は私の半年分の懊悩が詰まっている。
そして私は思った。
圧倒的にマンションのほうが理にかなっている、と。
そう思ったのである。
まずはその気密性の高さはポイントだと思う。
マンションは鉄筋コンクリートと呼ばれる、たぶん鉄筋とコンクリートで作られている。
それは冷暖房の効果がばつぐんであり、帰宅時の室温が戸建てのそれとまったく違うのである。
冷暖房なしでは生活がなりたたない現代人にはうってつけであると思う。
次にアクセスの良さもポイントであると思う。
とくにベッドタウンで都心に労働しにいく出稼ぎスタイルならなおさらだと思う。
私は埼玉県というベッドタウンの居を構えながら、東京という陛下のお膝元で労働の徒をしている。てか東京に家なんて買えるわけないじゃん。
つまり電車で通勤をしているわけだけれども、マンションというのは比較的駅場にちかいことが多い。
またショッピングなども近辺でできるように生活のプロがそのへんを考えて立地を選んでいる。私は生活素人。
だから時間に追われ暮らし行くモダンピープルな私たちにはマジでジャストなのである。
そして多忙な現代人にとっては、建物の管理も要点である。
マンションにはややもすると管理人という雇われた番頭がいる。
ゴミ置場などの管理、建物周辺の清掃などをしてくれるその管理者様の存在というものはとても大きく、かけがえのないもので、また留守が多いので防犯の意味でもその存在はありがたいと思う。
あと最後にこれはマンションの決め手なのだが、立体駐車場がかっこいい。
駐車場のあの立体的な収納スペースの、ボタン操作でガシャコンウィーン、からくりメカの音をけたたましく鳴らしながら動作する様相は、まるでロボが発進するかのごとくで超イカス。脳内ではエバンゲリオンのダン、ダン、ダン、ダン、ダンダンというBGMが流れる。
もちろんそれぞれの生活様式、家庭環境、しあわせのカタチに拠るだろう。
だから私は昨年9月。
勇気をもって住宅ローンを契約し購入した。
レディメイドの新築一戸建てを買ったのである。
いままでの話はなんだったんだ!とお思いでしょう。
が、私はうだつの上がらない丁稚奉公月給取り。
ゆえに給与の上昇、立身出世などまったく覚束ない。
住宅ローンにプラスされた管理修繕費などは支払えない。
駐車場料金だって馬鹿にならない。
つまり便利なぶんだけマンションには住宅ローン以外の金銭が必要なのである。
そう思い、あこがれのエリートマンション暮らしを断念。
私の息子は風間君になれなかった。
すまない。父ちゃんは貧困層なんだ。
しかし、これは決して諦念ではない。
それをこの夏の始まりに感じた。
ビニールプールが楽しいのである。
息子は2歳と9ヶ月という生存期間である。
そんな彼と庭先でビニールプールを広げ、行水をした。
マンションでも出来るところはあるかもしれない。
けれども私は、こうして自分の敷地と胸を張って言える場所で息子と遊戯できるのがとても誇らしかった。
あらためて戸建てにしてよかったな、と思った。
それ意外にも子育てにおける戸建てのメリットはある。
まぁとにかく家の中で飛び回っても気兼ねない、ということぐらいだけど。
それだけかもしれない。けれども子どもは遊ぶのが仕事である。
そんな彼の労働が、家でも出来る。
こうして私は息子に過酷な労働環境を与えているわけだが、あるていど根性と言うものをつけなければならないと思っている。
だから戸建ての住宅環境というのは激烈な労働を生き抜くブラックソルジャーの育成にたいへん役に立つのではないか、と思っている。
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