まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

別所さんのミニハム、川谷さんはシングル

 今昔をかんじるフレーズが増える、というこの現実が、つまりは歳をとる、ということなのだとおもうし、そういうフレーズが若人に伝わらないということが、なんだかソフトクリームを落としたみたいに悲しくなるし、こうして接続助詞に並列の「し」をつかうと、なんとなく村上春樹みたいになるとおもっているのはおれだけなのかしら。どうなのかしら。別所哲也は「そのCMを見たことはないけれど、ハムの人という認識がある」なんてぐあいの伝説の人物になっているんじゃないか、などと愚考したわけである。忍者になりたい。

 

 ハムバッカーに比較して、ミニハムのほうが粗雑な音がする、というか、ミニハムってちょっとでかいシングルコイルみたいな音するなぁ、とおもっている。ってゆうかおれは、そのでかいシングルコイルの音が好きなのだけれど、ゲス極の川谷さんのギターってそういう音するなぁ、とおもった。

 

 ゲスの極み乙女というバンドを闇雲に聴いている。おれにはジンクスがあって、朝、マイナーなバンドや、マイナーじゃなくてもイギリスのバンドを聴くと、人生に予期せぬ不具合が生じる、という呪いの十字架を背負っているため、できうるかぎりメジャーで、ジャパニーズかもしくはアメリカの、馬鹿が好きそうな音楽を聴くようにしている。エルレとかハイスタとか、そういうの。

 

 でゲス極ってちょうどいいなぁ、とおもって聴いているのだけれど、とにかくピアノがかっけぇね、つって、ほんとポリフォニーというか、リフもいいけれど、歌メロを彩る、裏メロのような、音の起伏を意識したような、その鍵盤から紡ぎだされるフレーズが、ほんとクラシックのひとだなぁ、とおもう。ピアノのクラシックってポリフォニーが顕著だよな、おれクラシックには冥いけれど。

 

 川谷さんが曲をつくっているのだとおもうのだけれど、彼の「スケールを大きくとらえるというよりは、腕をあまり動かさず指先で細かいフレット運動をする」なんてミニマルなギターのフレーズからも察しがつくように、このバンドはちいさなフレーズをうまく組み重ねているバンドだなぁ、とおもう。

 

 そのギターのフレーズも妙で好いぐあいなのだけれど、なにより音色が好きだな。クリーン寄りのクランチで、シングルコイルっぽい。で、たぶんでかいシングルコイルっぽい。音のふくよかさ的に。もしくはミニハムか。いや、かっこいいよ。

 

 高崎線にのって新橋まで行くのだけれど、途次、荒川という河川を鉄橋をとおし渡河する。まだ東に傾いている太陽が水面に反射して、車窓をとおしてきらめきが飛び込んでくる。うわっ! まぶしっ! メイワクっ! とかおもって。そういうふうな眩耀を、ちょっとひずんだギターと、流れるようなピアノにかんじた。ってゆう日記。誰かいっしょにアメリカでニンジャビジネスしませんか?

 

両成敗

両成敗