まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

三歳児と仮面ライダーの映画を観にいった。

f:id:yuasayo1013:20180806111851p:plain

画像出典元:『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』 『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』 本ビジュアル・本予告編映... | 東映[映画]

 

 過日。三歳児と「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」と、どうじ放映の「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film」を観賞しにシアターへ歩をはこんだ。

 

 映画は「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film」からはじまったのだが、仮面ライダービルド目当てだったので、「どうでもいいけど」って鼻でも掘りながら観ていたのだが、おもしろかった。スピード感ですよ。やっぱ。

 

「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」というのは、キムタクふうに通称「ルパパト」と略称されている。戦隊モノのなかでは異例の、戦隊VS戦隊VS悪の組織という三つ巴の抗争がなされているようである。

 

 テレビ放映開始から、その躍動感あふれるカメラワークが注目されていたのだが、シアターのでかいスクリーンで観ると、より一層の迫力があった。ドローンという軍事技術が応用されているのだろう。「横」と「奥」というがんらいのカメラワークに「高さ」というあたらしい視点が追加され、殺陣のまわりをぐるぐるとまわり、すっと頭上にのぼったかとおもえば、ときに役者の股をぬく。かくなるテクニカルな映像のなかでヒーローが闘いまくる。その光景に男子の胸はおどり、そしてときめくのである。なにより三歳児でも飽きない。

 

 ルパパトの映画にはココリコの田中直樹というひとが重要な役で出演していた。妻も一緒に連れ立ったのだが、妻がよろこんでいた。なぜなら妻はその田中直樹というひとが「かっこいい」という、すこし気がどうかしているような美的感覚をもっているのである。個人の嗜好性は自由であるべきだとおもうのだが、「妻は田中直樹が好き」というおれの気持ちも察してほしい。ちなみにおれはトキオの長瀬くんに似ていると言われたい。願望。

 

 さて、「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」のほうである。ルパパトは三十分くらいでさくっと終わったのだが、この仮面ライダービルドがしっかりと長尺の放映であった。

 

 ネタバレもなにも、テレビ本編のなか「クローズビルドフォーム」というのがコマーシャルでながれてしまっているので、べつだんこれ以上の秘密はとくになく、物語も本編を濃縮したようなストーリーであった。

 

 おれは巷間にあふるる「仮面ライダー評論おじさん」ではないので、仮面ライダーの歴史やその背景をしらずにものを申しているのだが、今回の仮面ライダーはやっぱちょっと三歳児には難解である、とかんじる。

 

 なにより、本編での桐生戦兎の人格と葛城巧の人格の「鋼の錬金術師のなかにでてくる真理の扉っぽい」場所での甲論乙駁や、政治的な権謀術数、神算鬼謀がからみあう裏切りと軋轢のおとなの会話に、三歳児はついていけていない。

 

 それでも三歳児は仮面ライダーをみたがる。おそらく大人がはまっているので、それに合わせたい、という気持ちもあるのかもしれない。健気なヤツである。しかしそれいじょうに、三歳男児は、己の魂にねむる「かっこいいもの」への憧憬で仮面ライダーをみるのではないだろうか。

 

 やはりそういった年少部への心遣いであろう。仮面ライダーフォームでうつっている映像がおおかった。余談だが、ルパパトに比較すると、仮面ライダービルド俳優のアテレコはうまい。劫を経ているからであろうか。声だけの演技に魂が宿っている。

 

 中盤の桐生戦兎の内省的な描写では、あきはじめる子どもがおおかったようにかんじる。我が家の眷属もそのうちのひとりである。最終場面でのへんしんまで、「ほら、もうすぐかっこいいのでてくるんじゃないっ!?」なんつって。はは。映画ってつかれるし、しょうがないよな、なんておもった。

 

 めずらしくバイクの登場がおおかった。ビルドが民衆に追い掛け回されるのが愉快だった。監督が上堀内佳寿也だったのでギャグパートが随所にもりこまれていた。グリスがツインブレイカーで四つボトルをつかうのがかっこよかった。

 

 妻は武田航平が好きなのでグリスの活躍はうれしいようだ。ちなみに妻の、武田航平からラインが来たときに「航平くんだっ!!」って欣喜雀躍とするのがさいこうに気持ちわるくて好き。そういえば七月二十九日放送の第46話「誓いのビー・ザ・ワン」での猿渡カズミンのへんしん「アー・ユー・レディ?」「できてるよ……」はかっこよすぎて惚れまくった。

 

 それは布石だったのか、映画で万丈が戦兎のへんしんに巻き込まれたとき、「アー・ユー・レディ?」にたいする「だめです!」はたいへんな諧謔味があり、おもしろかった。館退場後も家族ですいぶんともりあがった。藤井隆はなんだか「やりすぎ感」があった。好きだけど。

 

 パンフレット(通常版)と缶バッヂを土産として購入した。パンフレットは、まんまと仮面ライダー俳優にはまった妻が二六時中精読している。ジオウもイケメンだといいなー、とほざいている。入場者カードはグリスだけ出なかったので泣いていた。缶バッヂは息子の保育園バッグにつけた。

 

 息子はたのしめたのかな? とちょっと疑問なのは、やはり話の筋がむつかしいのと、映画が初体験だったのでちょっと疲れたのか、帰りのぐずりが壮絶であった。しかし自動車ですぐ眠ってしまった。

 

 映画にはけっこうなお兄さんもお一人で観に来ていた。おれも昔「劇場版グレンラガン」をひとりで観にいったことをおもいだした。しかし、ふたり組みなどの、いわゆる仮面ライダー評論おじさんズが「あんまおもしろくなかったなー。けっきょくさ、本編の焼き直しだよなー」とおおきな声で言っているのは、ちょっとどうかとおもう。ネットでやれ、ネットで。

 

 あ、あと主題歌の「Be The One」が劇中でながれなかったのはざんねんだった。個人的には仮面ライダーって孤高のヒーローなんだな、つらいな、それでもラブ&ピースだよな、とかおもったりおもわなかったりした。犬飼くんの顔にへんしんしたい。