ヨツウチロックが流行ってますよね。なにを今更って話ですが。
昨今のEDMブームにノってロック界隈でも「兎に角ノれる曲」ってのが台頭している気がしますね。グルーブサイコー!!フォーッ!!
分かりやすくて聴いていてウキウキするし音楽の持つ力を最大限に発揮できる素敵なカテゴリーだと思います。
やっぱりアラサーのぼくから言わせてもらうと、パイオニアはトライセラトップスですね。ダンスロック。
ラズベリーのリフはいつもぼくを小躍りさせてくれます。
そんなアラサーの、ちょっと思い出したことを、ぶつぶつとヒトリゴチてもよろしいでしょうか。
「シャングリラ」
言わずと知れたチャットモンチーの名曲ですね。大体の方がご存知だと思います。
- アーティスト: チャットモンチー
- 出版社/メーカー: キューンレコード
- 発売日: 2007/10/24
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これもまぁ四つ打ちソングで、イントロのバスドラからぼくたちリスナーの心拍数を煽ってきます。
キャッチーなサビは覚えやすくボーカルブサカワのえっちゃんの愛らしい歌声がさらにぼくたちのハートを鷲掴み。ポップで親和性の高い名曲。
このポップネスでチャットモンチーが嫌いな人はいないんじゃないでしょうか。
いきなりサビから始まるんですね、
シャングリラ 幸せだって叫んでくれよ
時には僕の胸で泣いてくれよ
ん?ここでちょっとした違和感を覚えませんか?
そう、「泣いてくれよ」の終わりの部分は何故か5拍。5/4拍。
ここまでリズミカルなヨツウチで来ていたのに急に一拍多い。
イチ、ニー、サン、シー、 アレ? イチ、ニー、サン、シー、みたいな。
時には僕の胸で泣いてくれよ (ウン) シャングリラ~
って感じなんですよね。
「あれかな?えっちゃん、メロディあまっちゃったから一拍多くしたのかな?やれやれロックのロの字も知らないおんがく素人のおんなのこだもの、しょうがないよね。」
なんて思わないほうが良い。
コイツらはかわいい普通のおんなのこの皮を被りながらも往年のロックをしっかり踏襲した抜け目のないモンスターだ。
5/4拍子。これはいわゆる変拍子ってヤツですね。
EDMが音楽のブームであるアンチテーゼなのか変拍子を多様するポストロック、マスロック的バンドも最近よくみる気がします。tricotとかね。
レッドツェッペリンの聖なる館というアルバムに「The Crunge」という曲があります。
- アーティスト: レッド・ツェッペリン
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
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これはいわゆるファンクなのですが変拍子。ファンクなのにノれない。踊れないファンク。なにそれ。
どうやら9/8拍子と8/8拍子が交互に現れるのでわかりにくい。いや正直ぼくはリズム音痴なのでこの曲のリズムを追っていくとなにがなんだか分からなくなってくる。
この拍子もウィキペディアで調べた。ありがとうウィキちゃん、募金するカネはないけれども。
ツェッペリンは変拍子をよく入れてくるバンドです。
だがそれをファンクでやる、というなんとも鬼畜じみた二律背反ひねくれロック活動。このクランジにはそれが詰まっている。
性悪ツェッペリン。「これで踊れるなら踊ってみればぁ?」
シャングリラにもその性悪感を感じたのです。
ヨツウチでノれそうなのに急な5/4拍子。
あれ?なんかヘンだな?と思わせといて、サビの2回目の繰り返しでは普通に4/4拍子で終わっている。あ、気のせいだったか、なんつって。
そして!!しかも!!メロディのキャッチーさ、楽曲のシンプルな構成や、極上のポップさでごまかしている!!
「馬鹿は気づかないでしょ」といわんばかり。性格悪い。
たとえ本人が「歌詞の文字数が余ったので一拍増やしたんです」なんて言っても信じない。その発言でさえ計算のうち。
じゃなきゃイントロのドラムとベースだけのところでも5/4拍子にしている理由がつかない。しかもこのキャッチーさは計算してやらなければこんな自然に仕上がらない。計算高い女狐め。
こうしてぼくはチャットモンチーのシャングリラにレッドツェッペリンのクランジの翳を見たわけです。
ぼくは将来こんな性格の悪いイヂワルなオトナになんかならないぞ。
余談になりますがいまのガールズバンドはかわいすぎる。
えっちゃんのようなブサカワという二律背反の概念を生み出すくらいの顔面偏差値がちょうどいい。