まだロックが好き

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おめおめと生きている日記

「いとしのレイラ」デレクアンドザドミノスに見るロック音楽の混血

エリッククラプトンを語るには私は無知すぎる。

ときおり彼のギターや音楽を耳にはするが、なんとなしに過ごしてきた。ふーんこれが世界三大ギタリスト、スローハンド、ギターの現人神ですか。なかなかたいそうなネーミングですね。なんて。

そもそも私はいわゆる他所からのおススメで音楽を聴くことが少ない。ネットでもあまりにみんなが「いいね!いいね!」なんて言っていると敬遠してしまう。あ、バカが踊らされてるな、なんて思っちゃいますね。やばい!このままだと時代に用意されたステージの上で踊らされてしまう!斜に構えなくては! ふーん。シティポップ。たいへんステキなキャッチコピーですね。って具合です。

ロック音楽が好きな人間てのは、いわゆる時代の潮流にアレルギー的なフシがあるのであまりにも過多な宣伝効果は逆効果ではないかしら。それとも私がひねくれているだけでしょうかね。しょうがないです。母子家庭で育ちましたから。

 

古い音楽が好き。

古くて良いものは普遍的であり、現代作品の骨格。あぁ川の流れのようにゆるやかに、いくつも時代はすぎて行くのだけど、そこにとどまる揺るがない作品。ただまぁ「誰かが評価したモノしか評価できない」名盤信仰者と言われればそれまでですが。とほほ。

 

ということで表題の「いとしのレイラ」というアルバムを聴いている。

この作品を作ったデレクアンドザドミノスをアメリカンロックバンドとみなすべきか、それともクラプトンを筆頭者としてブリティッシュロックバンドとみなすべきか。ということを書いていきたい。

一般的にはかれらはアメリカンロックバンドである。

しかしなぜ、かようなことを言い始めたか、と言われればウィキペディアの意見が割れていたから。

バンドのウィキを見るとアメリカンロック。

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 引用:デレク・アンド・ザ・ドミノス - Wikipedia

 

しかしアルバム「いとしのレイラ」のウィキペディアにはイギリスのロックバンドと書かれている。

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引用:いとしのレイラ (アルバム) - Wikipedia

間違えてら、こいつ。あはは。なんて思ったのだけど、ちょっとまって。ウィキペディアもいろんな人間が編集できる。おそらくこれを書いた人はクラプトン教信仰であるか、もしくは様々な事情を思案、考慮、熟考のすえイギリスの、と記載したのか?

 

前提であるが、クラプトンはイギリス人である。であるが、デレクアンドザドミノスの他のメンバーはアメリカ人である。でクラプトンが様々なバンドを経験、解散、ラリって傷心でイギリスから逃げるようにアメリカに渡って組んだのがこのバンド。もう疲れた。なにも考えずコテコテのアメリカンロックをやろう、と思いメンバーを集めてやったら自身の最高傑作が出来上がっちまった。という段取り。

ゆえにこのバンドはアメリカンロックである。しかしこの偏屈極まりないイギリス人の陰鬱なスパイスがなければこんな名盤はできあがらなかったであろう。ゆえにクラプトンを題目とするならばブリティッシュミュージック、つまりイギリスのバンドということか。

 

各楽曲についてを話したいんだけど長くなるので端的に。

アルバムのタイトル曲はやっぱ名曲だとおもう。まずリフがカッコ良いし、クラプトンの野太い声も素敵。しかし私は曲後半のピアノを推薦したい。たいへんメロディックでやさしく力強い!これだけで一曲できるのに!!

まぁあとの曲はブルースロックと言う名のアザーアソーテッドラブソングス。ベルボトム、誰もしらない、ハイウェイの関門、恋は悲しきもの、もろもろギター楽器の応酬が素晴らしい。これはクラプトンではなくデュアンオールマンのおかげです。(ほんとうはデュエインが発音表記的に正しいようです)

 

本題は曲の良さ、アルバムの完成度、クラプトンのスーパーバンドを組む癖にすぐ解散する人間関係リセット癖、ではなく、このバンドをどう見るかということである。

ロックの原産国はアメリカであるが、ブリティッシュインベイジョン、ロックを蘇らせ続けているのはイギリスである。

アメリカの土くさい軽やかなロックンロールバンドにブリティッシュの重い湿った空気を混血させたら素晴らしい作品が出来た。

ロックの歴史は音楽の混血の歴史であって、結果としてできた区分けできないものをロックと呼んでいる。

だからここまで延々とセンテンスを組み重ねてきたが、ぶっちゃけアメリカンロックであろうが、ブリティッシュロックだろうが、どうでも良いのかもしれませんね。ロックはロック。

「いとしのレイラ」というアルバムができた。それだけでじゅうぶんです。

なんかそういうところがロックってすごく寛容で柔軟で、間口受け口の広い、大雑把でいいかげんで、下劣で下等な音楽でありながら、なにかひとつ筋が通っているような気がして、まだロックが好きなんです。私は。

 

いとしのレイラ

いとしのレイラ