まだロックが好き

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おめおめと生きている日記

なぜ男子は「傷だらけのボロボロ」が好きなのか?ロリーギャラガーのギターと孫悟空

 

さいきん個人的にブルースロックブームが到来している。たぶん生涯7度目くらい。

うそ。3度目か4度目くらいのブーム。なんかブルースロックを聴いているとかっこいい!という根拠のない虚栄心から見栄をはった。ちいさなうそのつき放題。自分の心に正直でいたい。

 

改めて驚愕したのがロリーギャラガーという男。

の、ライブアルバム「ライブインアイルランド」。

とにっかくめちゃくちゃかっこいい。

このアルバムを聴いたあと彼のスタジオアルバム「TATOO」を聴いたが、まさかのライブアルバムのほうがかっこいいという結論。脚色されたスタジオ盤よりもライブ盤のが良いって、これはすごいことなんですよ!

そんな実力はなはだしい彼のトレードマークは、塗装が剥げまっくたストラトキャスターというギター。

 

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なぜこんなボロボロなのか?というのは熱心なロリ研究家(こう記載すると誤解をまねきそうですね)によると、彼の汗の成分が強酸性であるとかいうトンデモ理論。そんなワケあるか、ぼけなすあほたれ。と言いたくなるが、じっさい彼は大酒飲みで肝臓をやられて死んでいるので、長年のアルコール摂取により人体が変化したのではなかろうか?と私の推察。そんなワケあるか、ぼけなすあほたれ。

 

彼のギターはカッコいい。

フレーズとか演奏技術の話もさることながら、外観、様相、みてくれ、がカッコ良い。

ボロボロのギターがかっこいい、というのはもう既に真理となっていて、新品のギターでもエイジド加工なんていわれる「使用感におけるナチュラルなキズ」みたいなのが施されて販売されている。

しかしコレ、妻曰く「中古じゃん」だって。まったくもって趣のわからん女だが「うーんまぁそうかも」とか思っちゃう私も私です。いや、これはヴィンテージ感なんだよ!ニセモノだけど!ってよく考えたらヴィンテージって中古ですね。

 

ボロボロのものはカッコいい。これはどうやら女性にはわからんようだ。

 

たいていの男子は「巨大ロボ、宇宙、メカ、勇者、冒険、ゴリラ、恐竜、おっぱい、昆虫、ヒーロー」とならんで「ボロボロのもの」にロマンを感じる。もしもそう思わない男子がいたらおそらくサイコパスです。注意が必要。

 

この「ボロボロがかっこいい」の原初体験はドラゴンボールだなぁ。

と思ってロリーギャラガーを聴いている。

 

説明不要の国際的人気コンテンツ「ドラゴンボール」。

主役は孫悟空。

孫悟空といわれてドラゴンボールでなく西遊記がでてくるのは、もはやおじいちゃんか偶像崇拝の禁じられたイスラム教の信者くらいでしょう。しかし日本でも三世紀後くらいには「ドラゴンボールの孫悟空にはモデルがいた!」とか言って西遊記を紹介してそう。余文です。

 

ボロボロでキズだらけの孫悟空がかっこいい、というのは概念として成立していた。 

と言うのも、カードダスという100円を入れてカードを出す(そのまんまで説明のしようがない)ガチャガチャがあったのだが、それにはキラカードと呼ばれるレア物があった。

キラカードに描かれる人物はモチロン主役クラスの孫悟空やべジータ、孫悟飯、トランテン(小ぼけを入れていくスタイルです)なんだが、私の記憶ではみんな戦闘中もしくは事後のボロボロの姿であることが多かった。なぜか?かっこいいからに決まっている。

 

彼らはいつだって果てしない死闘の末にボロボロになる。

ときにそれは侵略者からの防衛であり、ときにそれはたいせつなものの奪還であり、ときにそれはただ己の強さへの誇りである。

そんな姿を誰が恥じよう。

否である。キズは男の勲章だ。

おもえば、ファーストガンダムだって決めポーズは最終決戦の頭部と左腕を損失した状態のライフル天空撃ち。バキだって身体はボロボロ。シュウの顔にはキズがあり、ガッツはすでにもう人間じゃない。キズは強さの象徴で尺度ではないだろうか。

 

ということで、ロリーのギターのキズも男の勲章であり、強さの象徴。

言うなれば、これだけボロボロのキズだらけになるまで弾きこんだ、という一種の自己顕示欲かもしれませんね。

エイジド加工が好まれるのはその点かもしれません。

 

しかし人口処理されたキズのギターはしょせんニセモノでありコケオドシ。

見栄であり虚栄心。ちいさなうそのつき放題。

つかっている人間をみたら「やーい見栄っ張りの叶姉妹」と言って指差して笑ってやりましょう。

 

私は自分の心に正直でいたい。

 

ライヴ・イン・アイルランド

ライヴ・イン・アイルランド