パンクロックをやろう!と思い立ち既存のパンクロックの型にはまった通称パンクソングをやるのはもうその姿勢がパンクではないので、なんとなく聴くのを避けているバンドってのはたくさんあるのです。グリーンデイっぽいならグリーンデイ聴きます。
そんななか和製リバティーンズなんて言われてたandymoriというバンド。リバティーンズなめんな。ちょこざいな。と思いつつ聴かなかった自分を恥じたい。ってか誰だそんなキャッチコピーつけたやつ。出でこい。結果出会えて感謝ですが。
すげぇな!とわたしが思った日本のバンドがandymoriで止まっている事実を全国の音楽業界は辛辣に受け止めるべき。と、どの立場でもの申してるのか。滑稽。
ファーストアルバムについて語りたい。
とにかく一曲目からドギモを抜かれた。
まずドラムかっこよすぎでしょ。このドラマーがうますぎてやばい。キースムーン的とかいわれるけど、なるほどたしかに、その傍若無人ごときフレーズはおっしゃるとおりなのだけど、耳に残る太鼓のフィルが個人的にはジミーチェンバレンぽいなぁなんて。ジミーチェンバレンはスマッシングパンプキンズのドラマーですね。こいつはロックドラム史に名を残せると思うのだけど、あまり好きだと言う声を聞かない。猫も杓子もスティーブガットチャドスミスリンゴスター。無個性的回答。もうそれ聞き飽きました。
そいでその一曲目「FOLLOW ME」という曲なのだけどすごい。ぜんぶ。
ぶっちゃけなにいってるかわかんないくらい早口でまくし立てて歌っているのだけど、やっぱ日本語歌の情緒豊かさってのは一音一文字てきな間延びした音の取り方ってあるとおもうのですよ。甲本ヒロトとかスピッツなんてのは代表例。
かたや英語圏の方々ってのは一音一語。ここですでに音楽的な情報の詰め方ってのが変わってきちゃいますね。表音文字と表意文字という歴史的なことばの意味意義ってのもありますが、話がながくなるので端折ります。
そんな早口まくし立てメロディなんですが、そこであらわすのは英語圏的なリズム感良く、なんてな具合でなく、ほんとにことばの羅列の詰め込み。けどその内容が好きなんだ。
太陽が破裂するまで歌ってあげるよ
ウィーアーザワールド
カリフォルニアドリーミング
キープオンザサニーサイド
百貫デブにはサプリメントを
有色人種にはマシンガンを
FOLLOW ME
初めて聴いたときこの歌詞をリスニングするのは無理でしょう。私もいまだにちゃんとこれを言ってるのか不明です。カタカナ語なのに聴けないってね。そういうとこも英語圏ソングに対する皮肉。やるじゃねぇか。
歌詞にでてくる曲名はゲルマン系アングロサクソニアンがつくりたもうた名曲の数々。白人たちがロックの歴史を作り上げているのですね、結局。
しかしこのフォロミー。おそらくこれを白人が歌ったらPTAやBPO団体が出てきてCDを差し押さえられてしまう。人種差別だ!アドバイザリー?しらん!って具合ですか。有色人種のくだりが最高にアウト。
これってやっぱ日本のロックバンドだからできるんだよなぁ。なんて思ったのです。
折衷混交であるロックミュージックの白人たちが作り出した固定的観念を踏襲し、さらには愛してやまいがソイツを皮肉っているバンド。それがアンディモリ。の、このファーストアルバム。
3曲目の「モンゴロイドブルース」ってものロックンロールにおける混血を歌ったりしながらも、根底にある欧米化する文化をも揶揄しているのです。
「ミス日本」ってのは日本人のなかで純然たる日本人美女を選定するイベントなんだろうけど、じゃあその「ミス」やめたほうがいいと思うんですがね。
でもしかしここに、
日本が敗戦に象徴される黒船以降の鬱屈したコンプレックス
が見出されるのです。ちなみに↑これはエレカシの「ガストロンジャー」のフレーズですね。
それははやり欧米に対する憧れ。
なんてごときを7曲目の「僕が白人だったら」なんて曲で表現しつつも、これもまたちょっとばかにしてんじゃねぇかな。いやとにかくすごいアルバム。
歌詞の深追いってのはあんま好きくなくて、これはこうだ!と考察するのはとても蛇足。
以上は私がそう感じたことなのであまり真に受けず素直にアンディモリをみんなに聞いて欲しいんだ。すごくいいバンドなんだ。
残念ながら解散してしまっているけど、いまそのメンバーともう一人で「AL」というバンドをやっている。これはやさしいアンディモリの一面を受け継いでいるのでコッチもいいよ。
小山田壮平。本当に歌いたい歌、君には歌ってほしい。
- アーティスト: andymori
- 出版社/メーカー: Youth Records
- 発売日: 2009/02/04
- メディア: CD
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