まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

The ShinsのHeartwormsを聴いた。おれはシンズを愛している。

無条件に好きなバンドがいくつかいる。GRAPEVINEとかエレカシとかリバティーンズとかプリンスとかトラヴィスとか。なんだかチョイスに節操ないですが、この無条件をひとは崇拝と呼ぶのかも。プリンスはまじで神になってしまったが。

 

そんなかにThe Shinsが加わろうとしている。シンズとはアメリカのバンド。ニューアルバムだしましたね。

今回の「Heartworms」を聴いて、ぶっちゃけとてもよかった、という感想。前作「Port of Morrow」から5年ぶり。ねぇ、ジェームズ・マーサー、新しいバンドメンバーあつまった?って5年前のあの日から、ジェームズ以外のバンドメンバーが全員辞めちゃったんですね。ひとりシンズ。

 

「Port of Morrow」からジェームズマーサーがひとりでもシンズが出来ちゃうことは証明されちゃってますが、「Heartworms」でも完璧ですね。いや、ほんとにメロディ、ポップネス。最高。

 

隙がまるでない。「Name for You」から。いわゆる主旋律、ボーカルですね、が消えても、ふっと電子的な音階を耳に入れてくる。2曲目に「painting a Hole」みたいなガッツリ重たい曲もいれてきちゃう勇気。やはりバンドという形態でなく、個人的にやっていうからなのか、打ち込み電子音楽の部分が強い。3曲目の「Cherry Hearts」なんてのもおもくそ打ち込み。

 

しかし根がフォーキーでトラッドな人のであろう。デジタルなのになんだか、ドシドシしてるわけでなく「やわらさ」がある。いま俺のとなりでは4曲目の「Fantasy Island」が流れているが優柔でありつつ浮遊感。しかしメロディは地に足がついている。

 

「隠し切れないインテリジェンス」ってのが匂うロックミュージシャンって信用してしまう。たとえば上記のプリンス。こいつはまぎれもない時代の天才証明書に署名捺印済み。あとはやはりレディヘのトム・ヨークやアーケイドファイアのウィン・バトラー、トーキングヘッズのデヴィッド・バーン。ルー・リードなどなど。あ、ちがう、トム・ヨークは狂人のカテゴリだった。ルー・リードも変態のカテゴリでした。

 

そういうやつらは簡単に信仰の対象になってしまう。信じてしまう。なにをやっても許される。意味が見出される。しかし彼らの音楽はときに難解。やさしいポップスをやるビートルズはただのばかの不良グループ。音楽的(というかカリスマ性)には天才的でしたが。でもたまにビートルズがきらいになるのはあいつらの阿呆っぽいところがにおいたつから。阿呆の陣頭指揮をとっているのは主にジョン・レノンですが。なんなんだ「Good Morning  Good Morning」という曲は。

 

7曲目の「Half a Million」が流れているが小賢しいかんじがない。非常にポップ。ジェームズマーサーはおそらく天才型の人間なんだろうけど、上記の「俺は天才だから、俺のやることがわからないヤツがクソ」みたいな人たちとは違い、わかりやすさ、ポップスで示してくれる。ビーチボーイズのブライアン・ウィルソン的とでも言いますか。 

 

ただ、やはり打ち込み主体なのと、シンズとして確立してしまっている曲の強さと、もろにインディーロックな曲を解き放っているので、少々アルバム内でのデジャブ感が否めなかったです。いや、おれは好きなんですけどね。

 

9曲目、アルバムタイトル曲「Heartworms」から続く10曲目の「So Now What」なんてのはさいきん聴いたなかでも最強の終盤です。11曲目の「The Fear」なんてのは蛇足でしたが。

インディーロックでなにかいい感じのバンドさがしてるっって人いたらモデストマウスではなく、おれはシンズと答えてしまうな。まじ。さいきんのヘビーローテーションですわ。

 

Heartworms

Heartworms