まだロックが好き

まだロックが好き

おめおめと生きている日記

Catfish and the Bottlemenが良かった。俺はさいきんThe Amazonsが良いと思ったよ。

カービィがアイコンの「黴ブログ」という御ブログ様に以下のような投稿がされていた。勝手に言及してしまってすみません。

今更だけど、ガレージロックリバイバルが俺の中でキテる - 黴ブログ

私もガレージロックと呼ばれるジャンルが好きでよく聴く。ってゆうか、ここに書かれているバンド全部好き。リバティーンズもストロークスもアクモンもバインズもクークスも好き。そんな時代に生まれたので。

 

だから紹介されているキャットフィッシュアンドザボトルメンという楽団を聴いた。かっこよかった。こりゃストロークスとか好きならハマるな、と思った。

 

まず聴いたのはセカンドのライドというアルバムだった。

Ride

Ride

 

 

よかった。しかし意外だったのが、それほどガレージガレージした、粗暴で荒雑な感じはなく、どこかしら瀟洒なイメージを受けた、という点だった。しかしメロディはきれいだし、愚直な演奏はロックンロールしていた。同時にストロークスのような、どことなく隠し切れない権謀術数、そのインテリジェントな陰影が見受けられる作品だと思った。そして後述のファーストを聴いたあとだと、このアルバムにおけるキャットフィッシュアンドザボトルメンの音楽的な勇躍が感ぜられた。

 

そしてライドを聴いた次にバルコニーというファースト?を聴いた。

The Balcony

The Balcony

 

これこれ!という印象だった。上記ブログ様でも、かくなるアルバムの収録曲が紹介されていた。一曲目は「Homesick」という曲で、初手はいうなればポップネス。しかしサビ、その裏腹の凶暴な衝動が炸裂していた。

つづく2曲目の「Kathleen」が私の劣情を煽るごとき伸びやかなメロディからの、ぶん殴ってくるかのような譫妄をいだく噛みつくようなボーカルが、これかっけーね!てなった。

おそらくハムバッキングのギターの柔らかで、しなやかな八分音符がすごい好き。このギターすごくポップ。このバンドは単純にガレージロックで括られないな、と思った。それがこの煌びやかな音色なのに、いなたくドライブした、ときにエフェクティブなアルペジオやフレーズが舞い落ちる、等閑できないポップなギターの所以だと思う。

私はとくに3曲目「Cocoon」が大好きだった。すごく軽やかで、メロディックな曲なのに、通底するのはその衝動だな、と思う。それを担うのが志操堅固ともいえるルート引きのベースと、聴いているほうが肩に力の入る重たいドラムスのゆえんなんじゃないかな、なんて思った。しかし、やはり申し上げるべきはその主旋律で、これまた伸びやかなメロディで頭で考えたものでなく、音楽の染み込んだ身体髪膚から滲み出たような旋律が、聴衆の歌唱願望を沸騰させるような、そんな曲だなと思った。

やはりこのバンド、ポップだな、と思うのが思わず目を注ぎたくなるコーラスワークだな、と思う。どの曲にも、ここぞとばかりに肝要なところで、深いリバーブのかかったコーラスワークが耳に飛び込んでくる。

このバンド、誰にでも受け入れられやすいんじゃないかな、と思う。個人的にはこの1枚目のほうが好きだった。上記1~3曲目のほかに5曲目の「Pacifier」も7曲目の「Business」も9曲目の「Rango」もよかった、ってゆうかこのアルバム、捨て曲なくね?って思った。これ、かっけーね。

 

さいきん私もガレージロックっぽい、というかちょっとパンキッシュなんだけども、そういうバンドを聴いた。それがジアマゾンズというバンドだった。彼らも英国のバンドなんだけど、すごくかっこよかった。

The Amazons

The Amazons

 

 

なんというか、膂力にまかせたダウンピッキングから醸し出されるヤケクソ感がたまらなかった。シンガロングを煽動するかのような、直球に放たれるメロディなどがとても良い。1曲目の「Stay with Me」とかめっちゃ好き。キャットフィッシュに比べるとだいぶ粗雑だけど、その骨太なガレージロック感、いわゆるソニックスからの系譜のような荒々しさを私は感じた。

単純なリフで生み出すグルーヴ、それはロックが失った「ロール」の部分だと思うんだけど、そんな大衆ミュージックに欠かせぬ「ノリ」を腰で動かそうとする気骨があるように思う。そんなことを2曲目「Burn My Eyes」、3曲目「In My Mind」なんて聴いて思った。

DTMの発達により可視化されたリズムのグリッド。そこから派生するのは複雑多様化された変拍子を用いた偏差値の高い音楽。もちろん好きだ。しかし、この劣情を煽るのはいつだってシンプルなロックンロールの胎動だと思う。

 

このバンドも、全人類の腹の底にねむる斉唱欲求を、そのメロディで呼び覚ましてくる。それが4曲目の「Junk Food Foever」だとおもった。良い曲だと思う。

6曲目の「Black Magic」な小洒落たシンセがバックで揺曳するような曲も、爆発するバンドサウンドでかき消してしまう、そんな時代への反駁があるバンドだと思う。

衝動というか、かくなるバンドがもつ「遣る瀬無さ」というのはポップネスに昇華するのか、やはりこのバンドもメロディがポップだったりする。7曲目の「Ultraviolet」も、いまどきのサウンドで、でも彼らの肝胆は衝動的な感じがしてすげぇ好き。

ジアマゾンズにはキャットフィッシュのような器用さは皆無だと思う。だけど、そういった不器用さや気骨あるその姿勢は、さいきんのバンドには見受けられない、小汚い「潔さ」みたいなものがあると思った。希覯だと思う。

 

高校生のころはこうやって、聴いたバンドを「これ、かっけーね!」なんてよく話したっけ。と思った。なにぶんいまよりもネットの情報はすくなかったからだと思う。でもこうして「俺はこれ好き」とか言うのって楽しいんだよ。